猫の胸水!膿汁(血や乳白色)の原因や症状と治療法など!

猫の胸水貯留は、さまざまな要因
(病気や外傷など)に伴って生じます。

 

胸水は、肺の表面を直接覆う肺胸膜
と胸壁の内側(胸腔)を覆う壁側胸膜
の間に貯まった液体のことですが、
この胸水にも病態によっていろいろな
タイプがあります。

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胸水の中身(成分や色)は、その原因と
なっている病気などによって変わって
きます。
サラサラな水のような液体であったり、
血が混ざっていたり白く濁っていたり
など色々ですが、基本的にそれらすべて
をまとめて『胸水』と言われます。

 

こちらでは、そんな胸水の一つである
膿汁が胸膜の間に貯まる『膿胸(のうきょう)』
について、その原因や症状、治療法などを
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<猫の膿胸の原因について>

 

猫の胸水貯留のうち、膿胸は約20%
程度だとされています。

 

膿胸は、胸膜に起こった炎症によって
増加した胸水の中で細菌が増殖して
しまっている状態のことを言います。

 

胸腔の中で増殖する細菌で多いのが、
嫌気性菌(けんきせいきん)という空気が
苦手な菌で、胸腔は密閉された空間
(外界との空気の交通がない)ため、繁殖
に都合が良いためです。
(嫌気性菌は、もともと口腔内や腸管内
などに常在している一般菌です。)

 

この膿胸の原因(胸腔への細菌の感染経路)
は、はっきりと分からないことが多いの
ですが、猫の場合、

*血行性(血流によって各臓器に運ばれる)

*咬傷(ケンカなどによる傷から侵入)

*異物の刺入(鋭利なものなどの刺傷部より侵入)

*誤嚥性肺炎(食物が気管に入ることで発症する肺炎)

*肺や気管の腫瘍または膿瘍

*気道や食道の外傷

などの感染経路が考えられています。

 

そして、FIV(猫エイズ)やFelv(白血病)
などへの感染による免疫力低下が膿胸
の悪化に関連しているとも示唆されています。

 

また、膿胸はオス猫の発症が多いことから、
ケンカによる外傷や咬傷が感染経路と
なっている可能性も高いと考えられています。

猫の胸水の治療法!利尿剤など薬や抜く場合のリスクについて!

 

<猫の膿胸の症状について>

 

胸水の貯留で見られる症状は、
水分の貯留量にもよります。

 

少量の場合や、貯留速度が遅い場合
などは無症状のこともありますが、
貯留量が増えてくると、

*息苦しさ

*咳

*呼吸困難(呼吸が荒い、苦しそう)

などが見られ、原因によっては体の
浮腫(むくみ)などが生じることもあります。

 

そして、膿胸は、急性の場合には、

*発熱

*胸の痛み

などが起こることもあります。

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<猫の膿胸の治療について>

 

膿胸は、レントゲン撮影によって
胸水貯留を確認、胸腔穿刺(胸水を針を
刺して抜く)、その胸水(膿汁)を検査
することで分かります。
また、全身状態を見るために血液検査
も必要になります。

 

通常、胸腔内の肺は空気を含んで
いるため、レントゲンでは黒く映りますが、
水分は、レントゲンでは白く映るため、
胸水が貯まっていればすぐに分かります。

 

そして、膿汁は茶色っぽいことも
血混じりのこともありますが、基本的
に濁っている状態は膿汁となるため、
目で見て分かりますし、匂いも臭いです。
(硫黄っぽい便臭のような匂いがします。)

*白っぽく濁った胸水で『乳び胸』
いうのがありますが、違いは検査で
分かります。

 

この採取した胸水の細菌や細胞検査、
生化学検査などを行う必要があります。
(詳しい検査は外注検査になります)

 

膿胸の治療は、

膿汁を排膿→胸腔内の洗浄

となります。

 

まず貯まっている膿汁を抜き、
生理食塩水を注入、抜くという洗浄を
胸水の濁りがなくなるまで何度か
繰り返します。

 

それと共に抗菌剤(抗生物質)の投与、
原因疾患が分かればその治療となります。

 

膿胸を起こした原因にもよりますが、
胸腔内に完全に膿が貯まらなくなるまで
には、早くても数日~1週間程度はかかります
ので、それまでは毎日(最初は1日数回必要)
洗浄処置を繰り返す必要があります。
(2週間以上かかることも)

 

その間は、排膿・洗浄のための
ドレーン(体腔内に溜まった水分や血液、
リンパ液などを体外に排出するための管)
を胸腔内に入れっぱなしになるため、
入院となります。
(状況によっても異なります)

 

また、状態によっては、点滴
酸素吸入などが必要になることも
あります。

 

本来であれば膿汁の細菌の薬剤感受性
検査(どの抗生物質が効果があるか)を
行ってからの治療がベストですが、
感受性検査は外注となり結果が出るまで
数日かかるため、まずは一般的な抗生物質
で治療を始めることがほとんどです。

 

そして、その抗生物質の効きが悪い
ような場合には、感受性検査を行うと
いう方法を取る病院もあります。
(その時の猫の全身状態にもよります)

 

膿汁の貯留がなくなってきたら、
洗浄をやめて様子を見ることになり
ますが、再発予防のためにその後も
1~2週間が抗菌剤の投与が必要になります。

 

また、膿胸の多くは来院時に肺血症
や菌血症を起こしていることも多く、そ
の場合には膿胸の治療はもちろんですが、
全身状態も含めた集中治療が必要に
なります。

肺血症:
感染症によって生命を脅かす組織障害
や臓器障害が現れる状態。

菌血症:
本来無菌であるはずの血液中に細菌が
侵入した状態。

 

この場合、完治までに1~2ヶ月かかる
こともあります。
また、治療が遅れると残念ながら
助からないこともあります。

 

<まとめ>

 

猫の膿胸は、それほど多い病気では
ありませんが、外傷などが原因となる
ことも多いため、特にお外に出る猫さん
や多頭飼育などでケンカが多い場合など
には注意が必要です。

 

猫は、爪や牙が細く鋭く、また全身が
毛に覆われているため、引っ掻き傷や
咬傷が目立たないことも多いです。

 

また、猫の皮膚は柔軟性が高いため、
表面の傷だけすぐに塞がってしまい、
皮膚の下では細菌が増殖、化膿して
アブセス(膿瘍)を起こしているという
ことも良くあります。

 

ですから、そのようなリスクの高い
猫さんの場合には、普段から体の全体
に触ったり、ブラッシングしたりしながら
異変がないかチェックしておくことも
大事になります。

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