猫の胸水の治療法!利尿剤など薬や抜く場合のリスクについて!

胸水は胸腔内(胸の中)に過剰に液体
が溜まる状態で、それによって
呼吸不全や呼吸困難などを起こし、
場合によっては死に至ることもあります。

 

また、呼吸がしづらく、苦しそうな
呼吸の様子が見られたり、咳が出たり
と飼い主さんから見ても辛そうな症状
が現れます。

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さまざまな猫の病気の中でも胸水貯留
の状態は、猫にとっても苦痛度が高い
のです。

 

そのため、なるべく早期に適切な
治療を行って症状を軽減、改善させて
あげることが大事です。

 

こちらでは、猫の胸水の主な原因や
治療法、リスクは注意点などについて
まとめてみましたので参考にしてください。

 

<猫の胸水とその原因について>

 

胸水とは、胸膜腔(肺の表面を覆う肺胸膜と
胸壁の内面を覆う壁側胸膜の間=袋状)に
液体が溜まった状態です。(胸水貯留)

 

もともと、胸膜腔には少量の胸水(漿液)
は存在していて、呼吸をする際に肺と胸壁
との間の抵抗を減らす「潤滑油」の役割
をしています。

 

この胸水は、壁側胸膜から産生、吸収
されていますが、何らかの原因によって、
産生が増加したり、吸収が減少したり
することで胸水が貯まっていき、胸水貯留となります。

 

ですから、胸水は何らかの病気の二次的
な症状として起こるもので、原因疾患が
にあることがほとんどです。

 

また肺水腫(肺の間質に水分が貯まる)
も胸水の中に含まれて言われることも
あります。(水の貯まる場所は異なり
ますが同時に起こることは良くあります。)

 

そして胸水は、以下の2種類があります。

【滲出性胸水(しんしゅつせい)】

炎症によって毛細血管から水分が
染み出しやすくなることや、
胸膜リンパ管系の通過障害などで起こる
(主に癌や肺の炎症など)

 

【漏出性胸水(ろしゅつせい)】

毛細血管内の水圧が上昇したり、
血液中のタンパク質濃度が減少して
浸透圧が低下したりなどで起こる
(心臓、腎臓、内臓などの疾患)

 

猫で胸水貯留の原因となる病気で
多いのは、主に以下になります。

 

【心不全(心筋症など)】

右心不全による静脈圧上昇のため胸水の
吸収が低下、もしくは肺うっ血によって
胸膜腔への胸水産生が増加。

 

【慢性腎不全】

腎不全の合併症として、心不全や肺水腫
起こる。

 

【肝障害(肝硬変など)】

肝臓が働かなくなると低アルブミン血症
となり、血管内の水分が血管外に移動、
胸水や腹水を生じる。

 

【がん性胸膜炎(悪性リンパ腫、肺がん、乳がんなど】

がん細胞が胸膜に転移して炎症を
起こすと胸水の染み出す量が増え、
吸収する量が減るため、胸水が増えていく。

 

【猫伝染性腹膜炎(FIP)】

コロナウイルスによって、腹膜炎
や胸膜炎を起こし胸水が貯まる。
(ウェットタイプ)

 

【外傷性】

なんらかの胸部外傷(事故やケンカなど)
によって胸膜腔内で炎症が起きることに
よる(血胸や膿胸など)

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<猫の胸水の治療法について>

 

猫の胸水は、要はその貯まった水分を
取り除いてあげることができれば良い
のですが、基本的に他の疾患が原因と
なっています。

 

そのため、その原因疾患を治療、改善
して胸水が貯まる状況を回避するという
ことがベストな治療法ですが、胸水の原因
となる病気のほとんどが完治は難しい病気です。

 

ですから、それに伴う胸水の治療も
根本的に改善させるのは難しく、
あくまでも貯まりにくくする・・
貯まった水分を少しでも排出する補助
をするといった対処療法がメインとなります。

 

そして胸水を減らす、また取り除くには、

*薬剤投与(利尿剤)

*直接、胸膜腔から水分を抜く

という方法があります。

 

どちらの方法もメリットデメリットが
あります。

 

【利尿剤】

利尿剤を使って、オシッコとして
体から水分を抜く方法です。
利尿剤は尿量を増やし、体の中の余分な
水分や塩分を減らす作用があります。

 

メリット:
・あまり体に負担をかけず安全に水分を
減らすことができる
・飲み薬での投与も可能

デメリット:
・作用がゆっくりなので即効性がない
・体が脱水を起こす可能性がある
・喉が渇く
・水分や塩分を多く摂取してしまうと
あまり効果がなくなる

 

*胸水貯留が少量のときや
漏出性胸水(ろしゅつせい)のときに
適した方法です。

 

【直接、胸水を抜く】

胸膜から直接針を刺してドレーン(管)で
中の水分を抜く方法です。
(胸水の検査を行う際には必要になります)

ただし、全部を抜くことは難しく、
また、一気に大量に抜くことも危険に
なるため、少量ずつ適量を抜いて様子を
見ながらになります。
(貯まった胸水の量にもよります)

 

メリット:
即効性があり、呼吸不全に対しては
効果が高い。

デメリット:
・感染症のリスクがある(穿刺部からの
細菌感染)
・通院が必要(場合によっては入院も)
・大人しい猫でないと難しい
(基本的に無麻酔が望ましい)
・麻酔が必要な場合には麻酔のリスクも
覚悟が必要
・胸水の成分によっては、抜くことで
体調に影響が出ることも
・気胸を起こす可能性があり、逆に胸水
が憎悪することも

 

*胸水が多量で呼吸状態が悪いとき
に適しています。
(一刻を争うような場合にはこの方法しか
ありません)

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<まとめ>

 

猫の胸水に関しては、その原因疾患にも
よりますが、あまり貯留量が多くない
場合には、利尿剤でゆっくり抜きながら
原因疾患の治療を併用していくように
なります。

 

猫では腎不全が多く、合併症として心不全
も起こりやすいため胸水の貯留も起こり
ますが、利尿剤を使いながら腎不全の進行
を抑制、また降圧剤や血管拡張剤などを
併用することで心臓の負担も減らし、胸水
を貯まりにくくする方法が一般的です。

 

また、がん性胸膜炎による胸水の場合も
基本的には同様ですが、がんなどでは
胸水が貯まるのが早い場合もあり、
利尿剤を使いながら、状況に応じて胸水
を抜く処置が行われるようになります。

 

ただ、前述したように胸水を抜くのには
多くのリスクが伴います。
ですから胸水が貯まっていてもあまり呼吸が
苦しそうではなく、呼吸困難の危険性が
少ない場合などは、利尿剤でゆっくり様子を
見ながら減らしていく方法が理想です。

 

また、胸水が貯まる原因疾患の多くは、
全身麻酔のリスクも高いです。
心不全もそうですし、腎不全や肝不全
では基本的に全身麻酔は禁忌です。

 

胸水が貯留している状態で全身麻酔を
かけると、呼吸できなくなってしまう
可能性もあり、また心不全では心臓停止、
腎臓や肝臓の機能が低下している状態
だと麻酔から覚醒しないこともあります。

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ですから、そのような疾患がある場合には
胸水を抜く処置が必要と判断されたと
しても、無麻酔での処置を行うのが一般的です。
つまり無麻酔でも何とか行えるくらい、
大人しくしていてくれる猫の場合のみです。
*ただし、緊急性の高い場合(急いで胸水を
抜かないと呼吸困難となり命が危険)を除く。

 

胸水を抜く処置は、ドレーンを装着、
固定するのでなければ、針を刺す部位
の毛狩りを行い、消毒、管につなげた
針を刺して抜くだけですのでそんなに
時間はかかりません。(数分程度)
針を刺すときにチクっとするだけで
胸水を抜いているときに特に痛みはありません。

 

貯まっている量にもよりますが、
横腹の肋骨の間から針を刺して抜く感じです。

 

その間、暴れたりせず少しじっとして
いてくれれば大丈夫です。
病院に連れて行かれて固まってしまう
猫さんなどは処置しやすいです。

 

また、外傷性の膿胸などの場合、
針を刺して膿を抜きながら、抗生物質
を注入して洗い流す処置が必要になります。

 

この場合には、数日間に渡って複数回の
処置が必要になるため、全身麻酔下で
胸膜腔にドレーンを設置してしまい、
そこから毎日、排膿や薬剤注入などを行う
ようになります。
(全身麻酔は最初のドレーン設置時のみ)

 

また、胸水の原因が不明の場合には、
胸水を採取して検査することによって
おおよその原因疾患が分かります。

 

胸水はとても苦しいため、できれば
早めに抜いて楽にしてあげたいと思うのは
当然ですが、リスクも高いため、あまり
積極的に行わない病院も多いです。
獣医師の考え方もさまざまです。

 

ですから、利尿剤でも対処できる
なるべく早期のうちに発見して治療を
行うことが何よりも大事になります。

 

胸水が貯まる可能性のある原因疾患
がある場合には、状態が落ち着いている
ように見えても定期的に受診して検査や
聴診をしてもらうことで早期に発見する
ことが可能です。

 

飼い主さんから見て明らかに呼吸が
おかしい(早い、荒い、咳がでる)ような
時には、すでに貯留も多くなっている
ことがほとんどです。

 

胸水は外見からは見えないものですが、

*疲れやすい
*動きが変
*寝る姿勢がいつもと変わってる
*何となく呼吸が違う

などなど・・注意して観察してみると
気付くこともあります。

 

そしてまずは、原因疾患の治療(投薬など)
をしっかりと行いながら、胸水が増えない
ようにすることが大事です。

 

増えないようにコントロールしながら
利尿剤を適切に使っていけば、胸水
を軽減、改善して呼吸状態も落ち着け、
あまり苦痛を与えず生活させてあげる
ことも可能です。

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