腎不全、腎臓病

猫の腎不全に幹細胞治療(再生医療)の方法や効果、費用など!

 

『再生医療』という言葉を耳にする
ことが多くなってきていますね。

 

ノーベル生理学・医学賞を受賞した
山中教授のiPS細胞(人工多能性幹細胞)、
そこから急速に進歩を遂げてきている
医療です。

 

人の分野では、2016年9月に世界で初めて
iPS細胞を用いた移植手術が行われ、成果
を上げ、その後もさまざまな疾患に対して
再生医療が試されるようになっています。

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そして、動物医療の世界でも再生医療は
着実に浸透してきています。

 

安全かつ有効とされている再生医療は
これまで治療法がなかった難病や完治
できない病気、またガン治療などにも
効果が期待されています。

 

犬では、手術をしても歩行困難な
椎間板ヘルニアなど、また犬も猫も増加
しているガンなどに再生医療が取り入れ
られるようになってきています。

 

そして、猫では宿命とも言われ、
死因のトップであり、治らない病気の
代表が慢性腎不全です。

 

猫の慢性腎不全に対しては、
近年さまざまな研究が行われ、原因の
解明や治療薬の開発が進められていますが。

 

この猫の慢性腎不全においても再生医療
の効果が期待され、取り入れる動物病院
も少しずつですが増えてきています。

 

こちらでは、猫の慢性腎不全における
再生医療(幹細胞治療)の方法や効果に
ついて、また費用などをまとめて
みましたので参考にしてください。

猫の腎不全で見られる呼吸困難(早い,荒い)の原因や治療法など!

 

<猫の再生医療とは>

 

再生医療とは、病気や事故、加齢に伴い
損傷、または機能低下した組織や臓器を
その患者(猫)の体外で培養した細胞や組織
を用いて修復再生し、機能を補完する医療です。

 

まず、体の組織や臓器の基となる細胞
(幹細胞)を採取します。
それを体外で培養して増やし、活性化
させます。
その細胞をまた体内に戻すという治療法です。

 

元は、自分の細胞なので副作用の心配
が少なく、安全な治療とされているのです。

 

ガン治療などに取り入れられている
免疫細胞療法も再生医療と同じです。

 

<猫の再生医療とその方法>

 

再生医療は幹細胞療法とも言われ、
以下の2種類の幹細胞を利用する方法が
行われます。

*骨髄に含まれる骨髄液中に存在する骨髄幹細胞

*皮下脂肪の中に含まれる脂肪幹細胞

 

【骨髄幹細胞療法(MSC療法)】

猫の骨髄液を採取(約1ml)し、その中の
幹細胞を専用の特殊な容器で約2週間培養
し細胞の数を増やします。

それを点滴や注射によって体内に投与、
もしくは患部に直接注射します。

 

【脂肪幹細胞療法(ADSC療法)】

猫の皮下の脂肪組織を採取(約1g)、
特殊な酵素液で分解して幹細胞を分離、
専用の容器で約2週間培養、細胞の数を
増やします。

それを点滴や注射によって体内に投与、
もしくは患部に直接注射します。

 

そして、基本的に猫の場合は、
脂肪幹細胞療法が行われることが
ほとんどです。
犬もそうですし、脂肪幹細胞療法を
行う動物病院が多いです。
(脂肪幹細胞の方が採取しやすく
増殖しやすいため)

 

『幹細胞の採取方法』

幹細胞の採取は、骨髄液、脂肪ともに
基本的に全身麻酔下(短時間)で行われ
ますが、麻酔が危険、かけられない状態
のときには、軽く鎮静処置や局所麻酔で行われます。

 

一般的に骨髄液の場合は、足の骨から、
脂肪幹細胞は後ろ足の太ももから、
の採取となります。

 

採取にかかる時間は30~40分程度ですが
麻酔や鎮静処置の経過によって数時間~
半日程度の入院が必要になります。

 

猫の腎不全の場合は、基本的に全身麻酔
がかけられませんので、鎮静処置か
大人しい子であれば局所麻酔で脂肪の
採取を行います。
腎臓の数値によっては、点滴を行いなから
の採取となります。

 

『幹細胞の投与方法』

採取から約2週間ほどで培養が終わります
ので、その後は、数回に分けて投与して
いきます。

 

回数は頻度はその方法によって異なります
が、週に1回ずつ3~4回に分けて投与して
いきます。(方法によっては1回で投与が
終わる場合もあります)

 

点滴を行うのと同様に静脈から投与して
いきます。
かかる時間は約30分~1時間程度です。

 

投与中~投与後も容態を観察する必要
があるため、数時間~半日程度は入院
となります。

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<猫の慢性腎不全の脂肪幹細胞療法の効果>

 

再生医療の効果は、幹細胞を投与して
すぐに現れるものではありません。
病気によっても多少異なりますが、
慢性腎不全の場合は少なくとも数ヶ月
単位、また数年単位で経過を見ていく
必要があります。

 

人もそうですが、犬や猫の体には、
病気や怪我などから体を守るために
自身で傷や病気を修復する力
(自己治癒能力)が本来備わっています。

 

そしてこの自己修復の働きを日常的
に担っている細胞が『幹細胞』です。

 

ケガや骨折などが治るのもそうですし、
例えば毛が抜けてもまた生えてくるのも
それぞれの場所に存在する組織の幹細胞
の働き(自己複製能)によるものです。

 

そして『幹細胞』は、それら自己複製能
の他、様々な細胞に分化する能力
(あらゆる性質
の細胞に変化=多分化)
持っています。

 

さらに、炎症や損傷を起こした部位に
集まるという性質があります。

 

この働きによって損傷した組織や臓器を
再生、失われた機能を回復させることが
できるのです。

 

猫の慢性腎不全の場合、直接的な
原因はさまざまで、若くして発症して
しまった場合は、先天性の異型性や
感染症などの原因、また尿石症などが
原因で急性腎不全から慢性に移行など
ですが、高齢猫さんではほとんどの場合、
加齢によって腎臓が徐々に炎症を起こして
線維化し、腎機能が衰えていくことによって起こります。

 

ですから、幹細胞によって炎症を抑え、
腎臓機能を再生することが目標なのですが・・

 

ただ、腎臓は再生が非常に難しい臓器
あり、元通りに再生というのはまだまだ
難しいようですが。

 

しかし、実際に幹細胞治療を受けている
慢性腎不全の猫さんたちは、少なからず
良い効果が現れているという報告がほとんどです。

 

BUNやCRE(クレアチニン)の数値の
改善にはある程度時間はかかりますが
それ以前に食欲が戻ったり、多飲多尿
が見られなくなったりなど・・
その後、徐々に血液検査の数値も
下がってくるといった感じでそれを維持
しながら、元気に過ごすことができている
子が多いです。

 

前述した通り、幹細胞は自己修復機能
があるため、腎不全によって起きる
さまざまな合併症はもちろん、体全体
の不調の改善、回復効果もあります。

 

ですから、腎臓そのものだけでなく、
それらすべてに良い影響を与えること
で、低下した腎臓機能を補助する力
も高まり、結果それが腎臓の負担を軽くし、
さまざま良い影響を与えていると考えられます。

 

基本的に慢性腎不全では、短期間で
多少の数値(BUNやCRE)の上下は見られ
ますが長い期間で見ると治療を行っていて
も少しずつ数値が上がって(進行して)いく
のが普通ですから、長期的に見てその数値
が下がるということはやはり再生医療の
効果だと言えます。

 

もちろん、腎不全のステージや
全身状態にもよりますので効果には
個体差がありますし、実際猫の腎不全での
症例データも少ないのが現状です。

 

ただ、効果が上がればそれまでの治療
の負担を減らすことも可能ですし
(皮下点滴や投薬などの減量や休止)、
当然寿命を大幅に伸ばせるわけですね。

 

また、何より元気になってくれること
ができればうれしいですよね。

 

そして基本的に副作用の心配が
少ないため、安心な治療と言えます。
(副作用としては、軽い発熱が見られる
ことがあります)

 

しかし、幹細胞採取の際に、軽い麻酔、
鎮静処置が必要になるため、腎臓の
数値によっては、リスクが高くなります。
(腎不全が一気に悪化するなど)

 

ただ、近年は他猫(ドナー)由来の幹細胞
を投与する方法もあり、麻酔がかけられ
ない猫さんの場合でも再生医療を受ける
ことができます。

 

再生医療を行う動物病院の多くは、
輸血用の供血と同じで、移植用の脂肪肝
細胞のドナーを募集していたり、院内の
ドナー犬やドナー猫から採取した肝細胞
を凍結してストックしています。

 

また、デメリットと言えば、
費用が高額なことです。

猫の腎不全による貧血の改善に造血剤サプリの種類や効果など!

 

<猫の再生医療の費用とまとめ>

 

再生医療の費用は動物病院によっても
異なりますが、猫の場合、
脂肪幹細胞採取~培養~投与で全部で、
200,000円~が相場となります。
(投与の回数にもよる)

 

治療費用としては高額ですし、まだまだ
一般的な治療とは言えません。

 

ただ、再生医療はその他の内臓疾患や
免疫疾患、アトピーなどの皮膚疾患など
さまざまな病気に適応とされていますので
今後、再生医療を行う病院も増えてくる
と思われます。

 

猫では難治性の口内炎も多いですから
そのような場合にも再生医療の効果
が期待できると思います。

 

今後、さまざまな症例における再生医療
の試みで良い結果報告がたくさん挙がって
くるのではと期待されます。

 

再生医療は、まだまだ気軽に行える
一般的な治療にはなっていませんが、
試してみたい場合にはまずかかりつけ医
に相談してみてくださいね。

 

少しでも愛猫が元気で長く生きられる
ようになるといいですね!

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