腎不全、腎臓病

猫の腎不全で見られる呼吸困難(早い,荒い)の原因や治療法など!

 

猫の慢性腎不全では、症状の進行に
伴い、さまざまな合併症が起こるため、
色々な症状が現れてきます。

 

その中でも飼い主さんから見てても
辛そうに見える症状の一つが呼吸の
異常だと思います。

呼吸が速くなったり荒く苦しそうだったり・・

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この呼吸異常の症状は、すべての
腎不全の猫さんに見られるわけでは
ありませんが、腎不全が影響する症状
としては比較的多く見られます。

 

また、腎不全が進行していくに従い、
呼吸異常の症状も悪化していくのが
普通です。

 

腎不全と呼吸の異変・・
ではなぜ、慢性腎不全によって
呼吸器の異常が起きるのでしょうか・・。

呼吸を楽にしてあげるにはどうしたら・・?

 

こちらでは、猫の慢性腎不全によって
起きる呼吸困難の症状の原因や治療に
ついてなどをまとめてみましたので
参考にしてください。

猫の腎不全による貧血の改善に造血剤サプリの種類や効果など!

 

<慢性腎不全で呼吸異常が起きる原因>

 

慢性腎不全によって呼吸に異変が起きる
原因は合併症の『心不全』『貧血』
また『肺水腫』によるものです。

 

【心不全】

心不全には、高血圧が関わっています。

 

『慢性腎不全と高血圧』

腎臓は血圧を調節する機能もありますが
腎機能が低下することでこの機能がちゃんと
働かなくなるため、高血圧になります。

 

また、腎臓の働きが悪くなると、体に
取り込まれた余分な水分とナトリウム
の排泄がうまくできなくなります。

 

ナトリウムが排泄されずに体内に蓄積
すると、これに伴い水分が引き込まれる
ようになり、そうなるとナトリウムの
刺激で血管が収縮しやすくなったり、
引き込まれた水分で体液量が増加するため、
高血圧になります。

猫の慢性腎不全!高血圧の症状や治療と降圧剤の使用,測定など!

 

『高血圧と心不全』

高血圧になると正常より高い圧力が
血管の壁に加わるため、心臓に血液
を送る冠動脈の壁が厚くなり動脈硬化
を起こします。

 

この動脈硬化が進行すると心臓は
酸素不足によるさまざまな障害
(狭心症や心筋梗塞)を発症してしまい、
それにより心臓の筋肉の働きが低下し、
収縮機能不全を起こしてしまいます。

 

また、絶えず高い血圧に逆らい、
血液を全身に送り出す心臓には常に
大きな負荷がかかっている状態です。

 

このような心臓の状態が続くと、
全身に血液を送り出すことができなくなり
血液がうっ帯(停滞)した状態となり、
『うっ血性心不全』となります。

 

また、高血圧で体液過剰の状態と
なると浮腫(むくみ)も生じやすくなります。

 

余分な体液は胸水や腹水となったり、
心臓の周囲にむくみ(心嚢液)として
現れたりすることもありこれによって
『うっ血性心不全』『肺水腫』を起こします。

 

【肺水腫】

肺水腫の原因は、心不全によるもの
だけではなく、腎不全の場合の治療で
行われる『皮下補液』が原因となって
いることも多いです。

 

皮下補液は、通常の静脈からの点滴
の代わりにまとまった輸液を背中に
入れてゆっくり吸収させていくこと
です。

 

点滴のように入院や拘束が不必要な
こと、慣れると自宅で飼い主さんが
行えることなどから通院の手間や猫さん
のストレスがかからないことから猫の
腎不全では多く行われています。

 

しかし、

*体調によっては入れた輸液の吸収が
悪くなる

*通院が減るため、猫の体の状態が
分かりにくい(輸液量の調節ができない)

ことなどがあり、吸収できない水分が
胸に溜まっていく(胸水)と肺水腫を
起こしてしまいます。

 

肺水腫は、毛細血管から血液の液体成分
が肺胞内へ滲み出した状態で、
肺で酸素の取り込みが障害されるため
呼吸不全にとなり苦しい状態です。

 

これによって、息切れや呼吸困難などの
症状が現れます。

 

【貧血】

貧血も腎不全では深刻な合併症
ですが、腎臓の働きの一つである
造血ホルモン(エリスロポエチン)の
分泌が低下するため、また鉄欠乏
(ヘモグロビンの生成ができない)

よって起こります。

猫の慢性腎不全に伴う貧血の原因や症状、治療法は?

赤血球に含まれているヘモグロビンは、
酸素を全身に運んでいますが、この
ヘモグロビンの生成が減少すると
体のすみずみまで酸素を行き渡らせる
ことができなくなってしまいます。

 

そうすると心臓は大量の血液を流して
酸素不足を解消しようとするため、
鼓動を早くします。これによって
動悸や息切れ、呼吸が荒くなるなど
の症状が現れますがこれは酸素を体に
取り入れようとするためです。

 

そして、これがまた心臓に負担をかける
ことになり、心不全のリスクを高めて
しまいます。

 

このように、腎臓と心臓には深い関わり
があり、腎臓の機能が低下すると心臓の
働きが悪くなり、逆に心臓に疾患があると
腎臓の働きが悪くなってしまうのです。

 

また心不全は、慢性腎不全の合併症と
しては代表的なもので、最終的には
この心不全が原因で亡くなることも
多いです。

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<慢性腎不全による呼吸困難の治療法など>

 

前述したように、慢性腎不全の
猫さんにおいて呼吸の異常が現れる
のは、

*心不全によるもの
*肺水腫(胸水)、また腹水によるもの
*貧血によるもの

が原因となっています。

 

ですから、必要なこととしては、

*血圧の管理

*貧血の治療

*皮下補液の量の調整

が重要です。

 

【血圧の管理】

心臓他(中枢神経系、網膜)へのダメージ
を最小限にとどめるためには、
収縮期血圧< 160 mmHgに抑える必要があります。

 

ですから、収縮期血圧が持続的に
160 mmHgを超えている場合には
治療を行う必要があります。
また、持続的な収縮期血圧の上昇が
見られなくともダメージが出ている場合
には治療が必要になります。
(血圧は一定期間に数回測定して判定します。)

 

高血圧の治療(管理)では、

*カルシウム拮抗薬の投与
(血管拡張作用):アムロジピン錠など

*ACE阻害薬の投与
(血圧を上げる働きを阻害):セミントラ、フォルテコールなど

*経口プロスタサイクリン(PGI2)
誘導体製剤の投与(血管拡張作用など):ラプロスなど

などの薬剤が使われます。

 

【貧血の管理】

*エリスロポエチン療法
(腎不全によって分泌が低下した
造血ホルモンを補う)

*鉄補給(造血サポートサプリメントなど)

猫の腎不全による貧血の改善に造血剤サプリの種類や効果など!

 

【皮下補液の管理】

皮下補液を自宅で行っている場合には
呼吸状態、また体の浮腫(むくみ)の
状態などをしっかりと観察、異変が
あればすぐに診察を受けるようにしましょう。

 

また、異変がなくともやはり定期的に
診察を受けさせるべきです。
症状が出ていなくても聴診によって
心雑音や肺水腫の兆候が分かります。

 

肺水腫の予防のためにも皮下補液の
量は猫さんの体の状態に合わせて
調節していかなければなりませんので
診察を受けて、指示をもらうことはとても
大事になってきます。

 

胸水や腹水が溜まっている
状態のときには、利尿剤で体内の
余分な水分を排泄するなどして症状の
軽減を目指します。
(場合によっては胸水や腹水を
直接除去(抜く)することもあります。)

 

また、浮腫(むくみ)が見られるとき
にも利尿剤が使われるのが一般的ですが、
皮下補液を行っている場合には、
その量や頻度など制限が必要になって
きます。(バランスが難しいです)

 

<まとめ>

 

基本的に血圧と貧血の管理
慢性腎不全では非常に重要視される
ものですから、しっかりと治療を
行うのであれば必ず必要になります。

 

また、皮下補液は猫の腎不全の進行抑制
では効果の高い治療ですから必須とも
言えます。

 

ですから、これらの治療をしっかりと
適切に行っていても呼吸困難が見られる
場合には、すでに薬剤でもコントロール
できなくなってきている状態と言えます。
この場合は、残念ながら呼吸を楽に
してあげることは難しいです。

 

肺水腫が悪化していくと補液も
難しくなってきますので、腎不全が
一気に進行してしまうこともあります。

 

また、意外に多いのが腎不全や
合併症の進行に治療が付いていけて
いない場合です。

 

猫の慢性腎不全は、猫の宿命とも
言われる病気で高齢になると多くの
猫が患う病気であり、死因のトップに
なっています。
また、治療をしても治らない病気です。

 

そのため、年齢にもよりますが、
慢性腎不全=老衰という捉え方を
する獣医師もおり、その場合には、
積極的な治療を推奨しないことも多いです。
(飼い主さんの要望にもよりますが)

 

その場合、最低限の治療として
皮下補液や食事療法、活性炭などの
毒素吸着剤の投与などとなり、腎不全
の悪化に伴い出現してくる症状に
ついては、積極的な治療は行わないこと
が多いです。
(また、腎不全の合併症に関しては
管理が難しいというのもあります)

 

本来であれば、慢性腎不全の管理の
ためには、

*血液検査/BUNやCRE、PCV(貧血)、
ALB(脱水)の
他、リンやカリウム、
ナトリウムなど
電解質の検査

*尿検査/尿比重や尿タンパク

*血圧測定

などを定期的に行いながら、治療法や
薬剤を調整していかなければなりません。

 

これを早期(ステージ2)から行うことが
できれば、腎不全の進行を抑制する
ことができ、また猫さんのQOLを向上
しながら、余命を伸ばすことも可能です。

 

しかし、腎不全は治らないため、
一生続く治療であり、費用面など
飼い主さんの負担、また猫さんの通院
のストレスなどもあるため、なかなか
徹底的な治療、管理を続けるというのが
難しいというのが現状です。

 

また、前述したように猫の腎不全では
自宅で補液や投薬をするということが多い
ため、しっかりと猫さんの体の状態を
チェックできていないということがあります。

 

ですから、どこまで治療をするかに
よっても変わってくると思いますし、
それによっては、病院を選ぶ必要があります。

 

基本的に呼吸困難の症状は、
腎不全も進行した状態で心臓の働き
も悪くなっているため、完全に症状
を良くするのは難しいと思いますが、
積極的に治療を行うことで症状を改善、
軽減できる可能性はあります。

 

腎不全だからしょうがない・・
もう歳だし・・
と思われる飼い主さんも多いですが
まだできる治療はあるかもしれません。
少しでも楽に余命を過ごさせてあげる
ことができる可能性もあります。

 

まずは、愛猫さんの体の状態をしっかり
と把握してどんな治療ができるのか、
獣医師に相談してみてくださいね。

 

そして、疑問を感じたら・・
治療に対する気持ちの差異があるよう
なら、迷わずセカンドオピニオンを
おすすめします。

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