猫の腎不全!乏尿、無尿期の状態や治療法、予後や余命など!

猫の腎不全ではステージや経過によって
さまざまな症状が出てきます。
飼い主さんが見ても分かりやすい症状も
あれば、検査によって分かる異常もあります。

 

また、急性腎不全と慢性腎不全では、
その経過や予後も異なりますが腎臓機能
の状態が目に見えて分かりやすいのが
『尿量』です。

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腎臓は、さまざまな機能を持つ臓器ですが
最も大きな役割は、オシッコを作ることです。
(血液中の不要な老廃物を排泄するための
尿を生成)

 

ですから、腎臓の機能に異常を来たすと
それはオシッコの異常(変化)として現れてきます。

 

腎不全の分かりやすい初期症状(見て分かる
初期症状)が『多飲多尿』というのも
このためです。

 

『尿量』の変化は、トイレの回数などで
分かりやすいですが、尿検査によっても
早期の異常を発見することができます。

猫の慢性腎不全と尿検査!尿比重との関係性や数値で見る進行度!

 

そして、慢性腎不全では、
少しずつ腎機能低下によって尿を濃縮する
ことができずに尿量が増加(薄いオシッコ
がたくさん出る)しますが、進行していき
末期になると逆に尿量が減少、『乏尿』
や『無尿』と言われる状態になります。

 

急性腎不全では、腎機能低下が一気に
進行、悪化するため、尿量増加は見られず、
そのまま尿量減少(乏尿・無尿)となります。

 

いずれにしろ、乏尿(ぼうにょう)・
無尿(むにょう)は、危機的な状況であり、
正常な腎臓機能が失われつつある状態です。

 

こちらでは、猫の腎不全における
『乏尿・無尿』の状態についてまとめて
みましたので参考にしてください。

 

<乏尿・無尿の状態とは>

 

尿量が著しく減少した状態を『乏尿』
と言い、さらに減少もしくは全く出なく
なった状態を『無尿』と言います。

『乏尿』=尿生産量が0.25mL/kg/hr以下

『無尿』=尿生産量が0.08 mL/kg/hr以下

*正常時の尿量は、0.75~1.25mL/kg/hr以下

 

【急性腎不全の場合】

 

急性腎不全時』の乏尿や無尿は、
腎不全症状が出現してすぐ(数時間~1日以内)
に見られます。

 

そして、

*腎前性
*腎性
*腎後性

の3つのタイプに分けられます。

 

『腎前性の乏尿〜無尿』

腎の排泄機能を担うネフロン(糸球体
と尿細管)以前に原因がある場合で、
多くは腎臓に流れる血液が急激に減少する
ことによって起こります。

ただ、腎臓の機能的には正常に働いている
状態です。

 

事故や外傷などのショックや出血、
下痢嘔吐、心不全などさまざまな
原因で起こりますが、腎臓に十分な血液
が流れるように治療できれば治ります。

 

『腎性の乏尿〜無尿』

腎臓自体の機能を急激に低下させる
何らかの異常が起こることによって、
尿細管壊死が起こり、腎臓の機能が停止します。

 

尿細管細胞が生きているうちに適切な
治療が行えれば、回復も可能ですが
死んでしまっていれば回復はしません。

猫の場合、薬物中毒などによる急性腎不全
で起きる可能性が高いです。

 

『腎後性の腎不全』

腎臓で尿の生成は行われているものの、
何らかの原因で尿路の通過障害が起き、
尿量が減少します。

猫の場合、尿結石によるものが
ほとんどで非常に多く見られる状態です。

 

原因を取り除き、尿の排泄ができれば
治ります。

ただし、治療が遅れると流れなくなった
尿が腎臓に達することで、腎臓組織に
損傷が生じ、最終的に腎臓の機能が失われます。

猫の急性腎不全の原因や症状、治療や入院などの費用は?

 

【慢性腎不全の場合】

そして慢性腎不全時』の乏尿や無尿は、
腎臓機能低下の悪化によって、徐々に
オシッコが作られなくなることによって
起こります。

腎臓が機能していない=腎臓で尿が
作られなくなっている

状態ですが、慢性腎不全の場合には、
その経過はゆっくりで、いよいよ末期
(ステージ4)にならないと起こりません。

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<乏尿・無尿時の体の状態>

 

『乏尿・無尿』になると、尿が生成
されない、排泄されないため、体の
老廃物を体外に出すことができなくなり、
体の中に毒素(老廃物)が蓄積した状態です。
(尿毒症)

 

体の中では、

*高窒素血症(クレアチニン上昇)

*アシドーシス=酸性血症(動脈血中の炭酸ガスが増加)

*腎性貧血(非再生性貧血)

*高カリウム血症(血液中のカリウム濃度が高い)

*肺水腫(肺の中に水が溜まる)

*高血圧(うっ血性心不全など)

などが起こっています。
(急性か慢性かによっても少し異なります)

 

そして、さまざまな臓器に異常を来たし、

*食欲不振

*嘔吐

*吐血

*けいれん

*呼吸困難

*意識障害

*昏睡

などが見られます。

 

急性の場合には、一気に症状が悪化する
ため、激しい嘔吐のあとグッタリと
いった状況になり、その後けいれんや
意識障害が起こったり、昏睡状態になります。

 

これが数時間~1日以内に起きることが
ほとんどです。

 

慢性の場合には、腎不全進行の過程で
食欲不振や嘔吐、元気ない、動かない、
ふるえなどさまざまな症状が出現して
います。

 

そして、いよいよ末期になってくると
寝たきりになって、意識が混濁したり、
けいれんなどが起こって昏睡に入ります。

猫の腎不全の症状!末期に見られる痙攣(けいれん)の原因は?

 

<乏尿・無尿期の治療法や予後、寿命について>

 

乏尿・無尿の状態では、急性か慢性かに
よって、治療法や予後、寿命なども
全く異なります。

 

【急性腎不全の場合】

治療法:

基本は、点滴利尿剤です。
尿結石などによる尿道閉塞の場合、
それを取り除き、後はひたすら24時間
点滴をして、体の老廃物を体外に排泄
しながら、腎機能の回復を待ちます。

 

その他、状況に応じて降圧剤や
急性循環不全改善剤などが使用されます。

 

1~2日が勝負です。
24時間体制の集中治療が行われ、
オシッコが出るようになれば、腎機能が
回復してきているので、ひとまず命の危険
は回避したことになり、そのまま回復して
いくことがほとんどです。

 

予後:

オシッコが出るようになれば順調に
回復し、4~5日程度で退院できるよう
になります。

 

ただ、多くの場合、急性腎不全は治って
も、そのまま慢性腎不全に移行すること
が多いですから、その場合、その後は
慢性腎不全の治療を続けることになります。

 

もし、運良く慢性腎不全に移行しなかった
としても、検査で分かるのは進行してから
なので定期的な検査は受けて早めに対処
できるようにしておく必要があります。

 

また、急性腎不全の原因が尿石症による
ものの場合、尿道閉塞は繰り返すことが
多いですので、そちらの治療(食事管理など)
はしっかりと続けていかないといけません。

 

余命:

点滴など集中治療を行っても回復しない
場合には、1~2日以内で亡くなって
しまいます。

 

回復すれば、寿命まで生きることも可能
ですが、慢性腎不全になってしまった
場合には、長生きは難しいと言えます。
ただし、慢性腎不全の治療をしっかりと
行えば、ある程度の長生きは可能です。

 

【慢性腎不全の場合】

治療法:

慢性腎不全の場合の乏尿・無尿は
いよいよ末期の状態です。
そして治療を行っても残念ながら回復の
見込みはないため、積極的な治療が
行われることはありません。

 

点滴や利尿剤を入れても、オシッコと
して出ていかなければ浮腫や肺水腫を
起こしてしまいます。

 

また、慢性腎不全の末期では
貧血もかなり進んでいるため、点滴に
よって血液を薄めると貧血はさらに
進みます。

 

けいれんがひどい場合などは、抗てんかん
薬などが投与されることもありますが、
基本的にはそのまま見守りながら見送って
あげることしかできないのが現実です。

 

ただし、慢性腎不全の場合でも急激な悪化
によって乏尿になることがあり、その場合
には、点滴を行うと少し改善が見られる
こともありますが稀です。

 

また、全身状態から点滴が可能だと
判断され、治療をして多少の延命はできる
場合もありますが、どこまでの延命治療を
続けるかの考えは人それぞれですから
何とも言えません。

 

末期でもまだオシッコがある程度の量
出ているのであれば点滴や補液はある程度
の効果が期待できますし、脱水などの症状
を改善し、体を楽にしてあげることもできます。

 

しかし、乏尿・無尿になってしまうと
もう手の施しようがないのが現状なのです。

 

予後・余命:

慢性腎不全の場合には、乏尿・無尿に
なる経過も比較的ゆっくりとした感じ
が多いため、乏尿の状態が数日続く
こともありますが、無尿になってしまったら
もっても2日程度です。

 

<まとめ>

 

急性の場合には、一分一秒でも早く治療に
取りかかること、その差が生死を分けます。

 

日頃から、オシッコの回数や量を注意深く
見ておき、膀胱炎や尿結石などは早期に
治療をして、腎臓に悪影響を与えないよう
にしましょう。

 

慢性の場合には、いかに進行を遅らせるか、
ステージ4になるまでの期間を長く
するかが大事です。

 

ステージ4になってしまうと、治療効果
も一気に下がってきますし、使える薬剤
も減ってきます。

 

療法食や薬剤、皮下補液など適切な治療を
しっかりと続けていくことが大事です。
うまくコントロールできれば、ステージ2,3
から進行を防ぐことは十分可能です。

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