<心筋症は進行抑制が大事>
猫の心筋症は、心疾患の中で一番に
多い病気ですが、初期では目立った症状
は見られず、また早期発見のための検査
を定期的に行っていない限り、分かりづらい
ため、発見時にはかなり進行した病態に
なっていることが多く、とても怖い病気です。
心臓病は加齢による衰えや長年の不適切な
食生活の積み重ねなど年齢と共に発症する
病気のイメージもありますが、猫に多い
『肥大型心筋症』は遺伝による先天性疾患
もあるため、若くしても発症する可能性があります。
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そして、基本的に完治する病気では
ないため、治療(飲み薬)は一生続ける
必要があります。
極早期に発見できた場合には食事療法
などで対処できる場合もありますし、
初期で治療経過が良ければお薬を
減らしていったりすることも可能な場合
もあります。

ただ、多くの場合、進行してからの
発見が多いため、治療は続けなければ
ならないことの方が多いです。
心筋症の治療の基本は、
*飲み薬
*食事療法
*肥満にならないよう注意
*運動制限
などがメインとなり、要は心臓の負担を
減らすための薬や食事内容、心臓に負担を
かけないよう太らせない、過度な運動は
控えるなどによって病気の進行を遅らせる
治療となります。

また、すでに血栓による害が出ている
場合などは薬剤投与、入院、点滴などの
治療が必要になりますが、急性の症状では
ない場合には、自宅でお薬を飲ませながら
の治療となります。
そして、しっかりと指示通りにお薬を
飲ませ、療法食を食べさせ、心臓に負担を
かけないような生活ができるのであれば
それだけで十分とも言えるのですが・・
*少しでも病気の進行を抑えたい
*長生きさせたい
*何か心臓に良いものを・・
と考えてしまうのが普通だと思います。
また、療法食は食べてくれない子も多い
ですしね。
そのような時にはやはりサプリメントなどに
頼りたくなるのが飼い主さんの心情ですよね。
薬剤のような効果は期待できなくても
副作用なく続けられてそれが少しでも
心臓に良い作用があるのなら・・
こちらでは心筋症で闘病中の猫さんが
摂取することで多少なりとも良い効果が
期待できる栄養素やおすすめのサプリなど
をまとめてみましたので参考にしてください。
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<心筋症に良い栄養素やサプリメント>
心筋症は、簡単に言うと心臓の筋肉が肥厚
してしまい心臓の機能が低下する病気です。
血液を全身に送り出すポンプ機能が低下する
ため、血流が悪くなり酸欠になったり全身に
必要な栄養素が回らなくなります。
また、心臓内に血栓ができます。
心筋症の飲み薬(長期に渡って服用)では
症状によっても少し変わってきますが、
*心臓の筋肉収縮に重要なタウリン
*心臓の血管を広げて血液の流れを改善、
血栓形成を阻害する薬
*血圧を下げることで、心臓への負担を
軽減する降圧剤
などの薬剤が組み合わされて処方されています。
またすでに咳や胸水などの症状がある
場合には、気管支を拡げる薬剤や利尿剤
なども使われます。
ですから、心筋症に対するサポートとして
必要であり、サプリメントに期待できる
こととしては、
*心臓の働きに必要な栄養素
*血液の流れをスムーズにするための栄養素
の補給です。
そしてこれらの作用が期待できる成分も
さまざまなものがありますが王道では
以下の2つが挙げられると思います。
『コエンザイムQ10』
心筋のミトコンドリアに多く存在し、
細胞を動かすためのエネルギーであるATP
(アデノシン三リン酸)をつくる補酵素。
心臓機能を強くし、ポンプの働きを
正常化する作用があります。
『オメガ3』
魚油(DHAやEPA)、エゴマや亜麻種子などの
植物油(α-リノレン酸)に含まれる。
血管をしなやかにして、拡張させる作用
で、血流改善効果がある。
この2つの王道の栄養素プラスアルファに
さらに以下の漢方薬系の成分が配合された
犬猫用のサプリメント『ハートアクト』が
心筋症にはオススメです。
『水蛭(すいてつ)』
水蛭とは血を吸うヒル(蛭)のことで、
特有成分ヒルディン(アミノ酸ホリペプ
チド)、ヘパリンなどの成分が含まれます。
ヒルディン:
酵素が血栓を溶かしたり硬化した血管の
弾力性や伸縮性を回復させる作用。
ヘパリン:
血液凝固因子の生成を防ぎ、血栓や血液の
粘りを取り除く作用。
『ミミズ粉末』
ミミズに含まれるミミズ繊維素溶解酵素
(ルンブロキナーゼ=タンパク質分解酵素)
は、血栓を溶かす作用がありそれによって
血液がサラサラに。
これらがまとめて配合され、心臓病への
サポート力を強化しているのが
『ハートアクト』です。
小さめの錠剤ですのでそのまま飲ませるか
砕いて食事に混ぜて与えます。
ハートアクト:100錠入り
給与量:猫では1日1~2錠
参考価格:5,680円~
また、もう一つ、ここ数年で有名になって
きている栄養素がピクノジェノールです。
人ではアンチエイジングで知られる成分です。
『ピクノジェノール』
松の樹皮エキスで高い抗酸化作用(ビタミンE
の170倍、ビタミンCの340倍)で知られます。
血小板凝集を減少させる作用があり、
血流改善や血管を強化する効果があります。
このピクノジェノールと発酵ゴマ末
(植物性生理活性物質)をメインにした
サプリが『パンフェノン』です。
発酵ゴマ末も血液粘度低下など
血栓の予防効果があります。
パンフェノンもさまざまな疾患に対して
効果が期待されていますが心臓病もその
一つです。
極症粒ですので比較的飲ませやすいタイプです。
パンフェノン:120粒入り
給与量:猫では1日1~2粒
参考価格:7,400円~
これら2つのサプリメントが猫の心筋症
にはオススメです。
また、個人的にはとりあえずオメガ3
オイルだけで飲ませるのも良いと思いますよ。
オメガ3であれば普通に人用の亜麻仁油
(フラックスオイル)をティースプーン
1杯程度食事に混ぜてあげればいいですし、
特にウェットフードに混ぜるのには適して
います。またサプリよりも安くすみます。
オメガ3は人でもさまざまな健康効果で
知られ、摂取が推奨されている栄養素で、
それだけで血流改善効果がありますし、
高齢猫に多い慢性腎不全の予防や進行抑制
にも効果が期待できますのでオススメです。
私のお気に入りはオメガ社の亜麻仁油です。
飼い主さん共々、摂取するといいオイルです。
その他、タウリンもサプリとしてありますが
基本的には病院にて処方されるはずですので
追加投与はいりませんが、タウリンは摂取
しすぎても排泄されるため害はありません
ので気になる方は摂取してもいいと思います。
<まとめ>
いずれにしろ、病院で処方されるお薬を
指示通りしっかり飲んで、また食事管理も
注意して、できれば療法食を食べてもらう
ことが一番大事です。
また、お薬の内容にもよりますが、
心臓を補助する役割で処方されるお薬は
飲んだり飲まなかったりというのが一番
良くないです。
心臓を治しているわけではなく、心臓の
働きを補助し、楽にしてあげているのです
から、お薬を飲んでいて調子が良くなって
いるからと安心してやめてしまうとその
反動、負担が一気に心臓にかかり、急激に
悪化してしまうことが多いです。危険です。
サプリメントはお薬の代わりにはなりません。
状態に応じて処方量が変わったり、内容が
変更になることはありますが、基本的には
心臓のお薬は一生飲み続けるものと心得ておきましょう。