足の大きなケガや傷など、治療が遅れて
しまうと壊死を起こし、手当てが不可能
になってしまうこともあります。
特に猫の場合、お外に出る子などは
交通事故も多く、また虐待などの被害
に合ったりでひどいケガを負ってくる
ことも少なくないです。
また、足に悪性腫瘍ができてしまう
場合などもあります。
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状態にもよりますが、早期に治療でき
れば完治が可能な場合もありますが、
時間が経っていたり、治療の施しよう
がないような重傷の場合には足の切断
も止むを得ない場合があります。
こちらでは、猫の足の切断(断脚)に
ついてまとめてみましたので参考に
してください。
<猫の断脚について>
猫の足のケガや病気では、さまざまな
原因や状況がありますが、
*治療しても元の状態に戻してあげる
ことができない
*そのままにしていると二次感染や
命に関わる危険がある
*中途半端に残すことがその後の生活
に不利益しかない
などの場合に断脚が提案されます。
病気の場合だと、
・血栓の詰まりによる後脚麻痺(心筋症)
・悪性腫瘍(癌)
などが多いです。
ケガの場合には、
・壊死
・開放骨折
・腐敗のひどい損傷
など治療ができない、もしくは治療
しても予後が不良だと判断される状態です。
足の切断と聞くと普通は動揺しますよね。
人の場合でも大変なことですし。
ただ、獣医師が断脚を薦める場合は
止むを得ないがそれがベストだという
ことです。
断脚することによって少なくとも現状
の苦痛から解放してあげるということ
でもあります。
そして、基本的に猫の場合、
断脚後でも特に問題なく日常生活を
送ることができる身体能力、柔軟性を
持っているためというのもあります。
ですから、決断には勇気もいりますし
悩むことと思いますが、まずはその
ケガ、病気を治すことを第一に考えましょう。

<猫の断脚の手術法や費用>
全身麻酔下で手術が行われます。
足の状態にもよりますが、問題のある
部位が足の先であった場合でも猫の断脚
では前足、後ろ足ともに足の根元(付け根
に近い所)からの切断が基本です。
膝下や肘下、足先だけといった中途半端
な部位での切断は行われないのが普通です。
中途半端な長さで残した場合、猫は
歩行時にその足を使って地面に着地
しようとしてしまいます。
そうなると、肉球で保護されていない
皮膚なので擦りむけたり傷ついたり
してしまいます。
また体全体に不自然な力が加わります。
そのため、短くした方が3本足として
逆に猫も歩きやすいのです。
ですから、基本的には猫の断脚は
前足の場合は上腕骨、後ろ足は大腿骨
の上部からの切断となることが多いです。
手術は、骨を切断後、切断面を保護する
ように周りの筋肉を寄せて囲って縫合
して終了です。
手術時間はだいたい1時間前後です。
断脚自体は難しい手術ではありません。
手術費用は、病院によっても異なりますが
だいたい3~4万円程度が一般的です。
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<術後の痛みや経過・予後など>
*痛みについて
術後の痛みに関しての疼痛管理は
病院によって異なります。
鎮痛剤(痛み止め)は使用しない、
もしくは最低限の投与にする病院も
ありますし、1~2日程度はキッチリ
と鎮痛剤を投与する病院もあります。
猫を含む動物などの場合、多少痛みが
ある方が大人しくしているため、
特に骨折の手術などでは投与しない
ことも多いのです。
(動物は人より痛みに強いということ
もあります)
また、獣医師の考えによっても
変わりますので何とも言えませんが、
痛みの感じ方などは個体差もあるため
術後の様子を見ながらの投与になる
場合も多いです。

*術後経過
手術当日は麻酔の影響もあり、
ボーっとした状態でうずくまって
いることがほとんどですが、翌日
にはしっかりとしています。
猫の場合は性格にもよりますが、
基本的に慣れない環境ではゲージの奥で
動かず丸まっている状態です。
(エシザベスカラーも装着してある
状態のため、固まってます。)
ですが、慣れない体でも翌日には
器用に立ち上がったりなどができる
状態になっている子がほとんどです。
全身状態が悪くなければ入院は
1~2泊程度です。
退院後は自宅で様子を見ながら
抗生物質などの投薬を行うだけです。
傷口はテープと腹帯(包帯)などでの
保護だけです。

*予後について
カラーも付いていて足も慣れない
ため、退院後も数日は転んだり、動き
がおかしいのはありますが、3~4日
もすれば慣れて歩き方も上手になってきます。
猫はもともと体の柔軟性や優れた
バランス感覚を持っているため、
体のハンデを克服するのは早いです。
(犬より全然早いです。)
ただ、前足が1本になるのと後ろ足が
1本になるのとでは少し負担のかかり
具合いが違います。
猫や犬は行動時に前足に70%の
負荷がかかっています。
ですから、後ろ足が1本になるより、
前足が1本になった方が負担は大きく
慣れるのに少し時間がかかります。
それでも1週間を過ぎるとすっかり
元気になり活動的になります。
2週間も経てば、3本足のハンデなど
感じさせないほどの動きになります。
10日~2週間程度で抜糸ですので、
診察を受けて問題なければもう安心です。
(癌や病気で切断の場合にはその後も
治療が必要になることがあります)
3本足でも通常の生活にはなんの
問題もなく過ごせます。
高所などの上り下りについては
前足が1本の場合、少し難しくなる
とは思いますが果敢にチャレンジする
姿勢が見られるはずです。
ジャンプしたりするような場所では
床を滑りにくくするようにカーペット
などを敷いておいてあげるといいですね。
3本足になるということは、
その見た目も含め、可哀想という
イメージで見てしまいますよね。
それはできることなら4本足のまま
の方がいいですよね。
でも、猫に人のようなネガティブな
感情はありません。
与えられた状況を受け入れ、その体で
どう動くか、どう生きていくかしか
考えません。
まっすぐに前を見て生きていますから。
とっても強いのです。
だから大丈夫ですよ。
あの心配と不安が何だったのか・・
ってくらいフツーになりますから!