猫の病気

猫の腎不全治療の薬!ラプロスの効果や副作用、価格など!

猫の死因のトップとされる
慢性腎不全治療の新薬
2017年4月に発売されました!

 

猫の腎不全においては、その
病態が解明されてないこともあり、
治らない病気とされています。

 

そのため、治療と言えば、
残された腎機能を少しでも長く
もたせるため、腎臓の負担を
少なくするための薬の投与や
輸液、食事療法が主でした。

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しかし、近年、猫の腎不全の
研究も進み、なぜ猫に腎不全が多い
のか?という原因も先日、東大の
研究チームが解明しました。

 

この研究による治療薬の開発も
進められています。
待ち望んでいる方も多いですよね。

猫の腎不全の治療薬が開発中!期待される効果や実用化の時期は?

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ただ、こちらの薬の実用化には
まだ数年(2~3年)はかかると
思われます。

 

ですから今回、新しく発売された
薬は、また違うタイプの治療薬と
して期待されますね!

 

慢性腎臓病治療の新薬「ラプロス」
は、東レが製造販売。
共立製薬株式会社から発売です!

 

『ラプロスとは?』

 

ラプロス錠は、
ベラプロストナトリウムを
有効成分とする
経口プロスタサイクリン(PGI2)
製剤です。

 

*血管内皮細胞保護作用
*血管拡張作用
*炎症性サイトカイン産生抑制
作用、抗血小板作用

があります。

 

人では、慢性動脈閉塞症
原発性肺高血圧症に使われる
お薬です。

 

ラプロスは、新薬と言われてますが、
このベラプロストナトリウム
自体は人はもちろん、犬でも
心臓病の薬としてすでに使用
されている薬剤です。

 

これが猫の腎臓病に対しても効果
の実績が認められ、初の認可を
取った薬ということで、そのため
「猫の腎不全の新薬」と言われるのです。

 

ラプロス錠は、慢性腎不全で
高血圧改善のために使われている
フォルテコールやセミントラなど
のACE阻害薬やARBと同様に使用
されるタイプのお薬です。

 

ただし、ラプロス錠では
高血圧の改善だけではない
腎臓の保護作用が認められている
と言うことで、より腎機能低下の
抑制効果が期待される薬剤なのです。

猫の慢性腎不全!高血圧の症状や治療と降圧剤の使用,測定など!

 

『腎不全に対する作用とは?』

 

猫の慢性腎臓病は、近年の研究に
より、病理組織学的に間質の線維化
炎症が主体で、間質の線維化が
腎機能低下に最もよく関わっている
ことが分かってきました。

 

腎臓の線維化は、炎症や虚血、
低酸素状態、線維化によってさらに
虚血と低酸素状態…という具合に
悪循環に陥り、進行していきます。

 

この腎線維化プロセスを抑制する
ことができれば、腎機能の低下を
抑制できるという考えに基づき
開発されたのが「ラプロス」です。

 

そして、上記に挙げたラプロス
の作用によって、腎臓の虚血、
低酸素状態を改善させると考えられ、
腎機能の低下を抑制し、臨床症状
を改善させるというものです。

 

効果効能としての記載は、
IRISステージ2~3の慢性腎臓病に
おける腎機能低下の抑制及び臨床
症状の改善 となります。

 

IRISステージ2~3ということ
ですのでクレアチニンの数値で
言うと1.6~5.0です。

ステージについては↓

猫の腎不全!CRE(クレアチニン)とBUNの数値で見るステージは?

 

つまり、血管を拡張させる作用に
よって腎機能の低下を抑制
食欲不振や体重減少、嘔吐など
の症状を改善するというお薬です。

 

『ラプロスの薬理作用』

 

ラプロスは腎機能低下の悪循環
にアプローチ!

 

*血管内皮細胞保護作用
→腎細胞の変性や破壊を防止

*血管拡張作用
→高血圧を抑制

*抗血小板作用
→尿中のタンパク減少

*炎症性サイトカイン産生抑制作用
→炎症を防ぐ

 

これらの作用で腎臓を保護しながら
腎不全の進行を抑制します。

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『ラプロス投与の効果・評価』

 

ラプロス錠を1日2回1錠ずつ
食後に投与、180日間の臨床試験
の結果を数値や獣医師、飼い主の
評価で表したものです。
(プラセボ=偽薬 対象試験)

*以下ラプロスの資料より出典


プラセボと比較するとCRE、
BUNともに上昇幅の違いから
効果が見て取れます。

 


また活動性の低下も大幅に抑制、
脱水の改善、食欲不振も改善が
見られています。

 

CRE・BUNの数値については
上昇の抑制効果はありますが
数値の低下には至っていません。

 

これはやはり壊れた腎機能は
治せないと言う点からも当然
と言えますが、機能低下(上昇)
の抑制から見ても十分な効果と
言えるのではないかと思います。

 

また、その他、尿検査の数値など
でも改善が見られ、一般状態の
評価などはすべてにおいて改善が
認められています。

 

これらの有効性によって腎臓病
治療薬として認可されたようです。

 

『ラプロスの副作用』

 

基本的に副作用のリスクは
少なく安全な部類に入るお薬と
言えます。

 

ラプロス錠は1錠中に
ベラプロストナトリウムを55㎍
含有する白い小さな錠剤です。

通常の投与量でのラプロスが
起因すると認められる副作用は
出現していません。

 

また健康な猫による安全性試験
では通常の3倍量までの投与に
おいて下痢や嘔吐など軽度な
副作用の出現は見られたものの
血液学・組織学・病理学的検査
すべてでラプロス投与が起因と
考えられる変化は認められていません。

 

これらのことから、
慢性腎不全の治療において
ラプロスを1日2回1錠という
規定の薬用量で与える分には
副作用のリスクは非常に低いと
考えられます。

 

ただし、

*他の降圧剤を服用している
*他の疾患もある
*体重が少ない(2kg以下)

などの場合は慎重な投与が必要に
なると思われますのでかかりつけ
の獣医師に確認してください。

 

『ラプロスの価格』

 

病院によって変わりますが、
1錠あたり100円~180円ほどの
設定になると思われます。
(価格は病院が自由に決めれます)

 

1日2回の投与ですので1月
6.000~10.000円程度という
ことですね。

なかなか高価なお薬です。

長期に渡って続けるお薬ですし、
活性炭など他にも必要なお薬も
あるため、なかなか大変ですよね。

 

『まとめ』

 

ラプロスの効果は臨床試験の
データなどで有効性は認められて
いますが、やはり薬剤ですので
効果のほどは個体差もあります。

 

また状態によって他の薬剤との
併用などもあるため、副作用
なども考慮しないといけません。

 

そして猫の腎不全においては
新しい薬のため、投与を始めて
1~2ヶ月程度は慎重に様子を
見ないといけません。

 

副作用もなく、機能低下の抑制
や食欲、元気など一般状態の
改善が見られるようであれば
投薬を続けることで良い効果が
期待できるはずです。

 

適応がステージ2~3となって
いますので、4になるまでの
期間をいかに長くできるか・・
機能低下を抑制できるか・・
悪化を食い止められるか・・

これに期待がかかりますね。

 

またある程度の病気の進行は
しょうがないとしても、その間の
QOLが少しでも向上できれば
猫さんも楽ですし。

 

ちなみにラプロス錠はステージ
2~3の適応ですが、ベラプロスト
ナトリウムの研究ではステージ1
からの使用でも効果が認められる
という報告もあります。

 

いわゆるステージ1ではCREが
1.6以下ですが、その時点で
腎臓の残存機能は100~33%と
実に幅広い不安な数値なのです。

 

ですから、この場合他の尿検査
などで精査していく必要があり
ますが、年齢や他の症状などから
極初期が疑わしい場合には、
ステージ1の段階でも投与が
行えるようになれば悪化の予防
にもつながるのではないかと思います。

 

またSDMAで早期発見できれば
ステージ1でも機能低下が分かる
ため投与も可能になると思われます。

猫の腎不全を早期発見する検査!腎機能マーカーSDMAとは?

 

もちろん、このラプロスは、
腎機能低下の抑制ですから、
悪くなった腎臓を元に戻すと
いうことではないです。

 

しかし、「腎機能低下の抑制」
効能効果として承認を得た薬剤
いうのは、国内ではこれまでなく、
ラプロスがとなります

 

 

猫の腎不全の治療において、
このように新たな新薬が出るというのは
非常に喜ばしいことであり、期待は持てますよね!

 

 

 

 

愛猫の長生きのためには
積極的に腎不全と闘っていかなけ
ればいけませんしね!

 

今後また、試験ではない一般の
慢性腎不全と闘う猫さんたちの
ラプロス錠の効果の報告も上がって
くると思います。

 

多くの猫さんで良い効果が
認められることに期待します。

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コメント

    • 猫まんま
    • 2017年 2月 23日

    この薬は海外での有効性を証明するデータが少なく、欧米での承認がないと聞きました。うちの腎不全の猫に使っても大丈夫でしょうか?新薬ですし、本当に安全なのでしょうか?

      • urumi
      • 2017年 2月 23日

      猫まんまさん

      こんにちは はじめまして ネコホスピタルの秋山です。
      お便りありがとうございます。

      ラプロスについてですがまだ発売もされておらず、詳細やデータなども分かりませんのでなんとも言えませんが・・
      成分のベラプロストナトリウムは人用としては長く使われている成分です。
      近年、動物の慢性腎不全に対してラットなどで実験されるようになり、その有用性が確認されているとのことです。

      それらがあり、このたび国でも承認・販売が決まったわけですので、それなりの効果は期待できるのでは?と私は期待していますが。

      確かに、新薬となると最初は心配もありますよね・・ただ、どんな薬でも副作用は付き物ですし、ベラプロストナトリウムとしての副作用の記載に特別気になるものは見当たりませんでした。血液をサラサラにする効果があるため出血傾向のある子には使えませんが。他の副作用としては猫の慢性腎不全に使われているセミントラなどとほぼ同じです。
      薬の副作用は個体差もありますので、実際セミントラでも下痢や嘔吐などの消化器症状が出る子もいます。
      何の薬でも体に合う合わないというのはあります。

      新薬の場合にはそれらの実際の報告もないため、最初は慎重に様子を見ながらの投与が必要になるのは当然です。

      まずは、かかりつけのドクターに相談なさって納得いくまでお話を聞かれるのが一番だと思いますよ。
      猫さんの今の体の状態、腎不全の進行度などによっても使うか使わないかの判断は変わると思いますので。

      愛猫さんが少しでも効果の良い治療が行えて長生きできるといいですね。
      腎不全の闘病は色々と大変ですが、頑張ってください。

      秋山

    • Kanok
    • 2017年 10月 16日

    よろしくお願いします!

    もうすぐ生後5ヵ月の雌猫の事でご相談させてもらいます。
    先天性腎異形成で腎不全と診断されました。
    BUN44.7 クレアチニン2.2でした。

    セミントラとセフジニを処方されましたが、このページにたどり着き、今度の診察の時に獣医さんにこのラプロスを処方してもらおうかと思っています。

    子猫でも大丈夫でしょうか?
    田舎の病院でも処方して頂けるのでしょうか?

    もっともっと愛猫を元気で長生きさせたいのです(/_;)

    よろしくお願いします!

      • urumi
      • 2017年 10月 16日

      Kanokさま

      お便りありがとうございます。

      若齢での腎不全とのこと、お辛いですね。
      少しでも腎機能をもたせて長生きさせてあげたいですね。。

      お問い合わせのラプロスの件ですが、残念ながら生後10ヶ月未満の猫への安全性が確立されておらず使用禁忌となっております。
      ただし、セミントラも生後6ヶ月未満の猫に対しては同じく使用してはならないことになっています。

      どちらも添付文書に記載されています。

      ですが、そのあたりは体の状態や病態に応じて臨機応変に対処する獣医師もおりますし5ヶ月であれば大丈夫との判断だと思います。

      また、ラプロスは発売されてまだ半年程度の新薬ですから、慎重な獣医師はまだ様子を見て扱っていないところもあります。
      そしてセミントラが生後6ヶ月未満なのに対してラプロスは生後10ヶ月という制限ですので安全性から言ってもセミントラを処方されているのではと思います。

      そちらの病院の先生の考えは分かりませんが、現時点でセミントラを服用されているのでしたら生後10ヶ月まではそのままで様子を見られるのが良いかと思いますが。
      その後、腎機能の数値や進行具合によってラプロスを試してみたい場合にはその旨相談されてみてはいかがでしょうか?

      腎不全ではセミントラなどの降圧剤も大事ですが、活性炭や皮下補液なども効果的です。
      まだ子猫さんなので薬剤などには制限がある場合もありますが、活性炭や補液などは関係なく使えますし副作用の心配もありません。
      もう少し成長するまではそれらのできることをしっかりと継続してあげるのが良いのではと思います。

      ご心配なこと、不安なことあればまたいつでもお気軽にお便りくださいね。
      私でお答えできることでお役に立てるのであれば幸いです。

      ネコホスピタル 秋山

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