猫の免疫不全ウイルス感染症、
人間のエイズと似ているため
猫エイズとも呼ばれ、なんとなく
ネガティブイメージを持たれがち
ですが。
しかし、猫特有の病気であり、
人や他の動物に感染することは
ありません。
また、猫が感染してもそれによって
すぐに死んでしまうという病気
でもなく、発症までにはかなりの
時間も要しますし、また発症せず
に天寿を全うする子もいます。
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さらに発症したとしても
対処療法など、症状を抑えながら
元気に生活しながら長生きできる
こともあります。
今回は、猫エイズの感染から
発症した場合などの経過や症状、
治療などについてです。
猫エイズ感染から発症まで
猫は、エイズ(免疫不全ウイルス)
に感染すると、
急性期→無症状キャリア→発症
という経緯を辿ります。
しかし、このプロセスは非常に
長くゆっくりです。
そのため、発症する前に寿命を
迎えてしまったりなど、エイズに
感染していても必ずしもエイズの
発症によって亡くなってしまうとは
言えません。

猫の場合には高齢になると腎不全
などの死因も多いため、それらと
比べても猫エイズが短命とは決して
言い切れないのです。
ですから、決してネガティブな
イメージの病気ではないですし、
治ることはありませんが、長生き
も十分可能です。
<急性期>
エイズ(免疫不全ウイルス)に感染
すると2週目頃から2ヶ月程度、
軽い感染症(風邪様症状)を起こします。
発熱やリンパの腫脹、下痢など
の症状で、なんとなく不調、元気が
ないかな・・程度で気付かないこと
も多いです。
体力のない子猫や、他に何らかの
病気がある猫さんでなければ、
この急性期に命に関わるような
ことはありません。

<無症状キャリア>
急性期の症状もなくなり、無症状、
つまり通常の猫となんら変わりは
ありません。
ただ、ウイルス自体は活動をして
いるため、目に見えないところで
ゆっくりと病態は進行しています。
また、他の猫への感染源にも
なります。
この無症状のキャリア期間は、
個体差がありますが4~5年、
長いと10年以上続くこともあります。
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<エイズ発症~余命>
病態が一定限度を超えると
いわゆるエイズ発症ということ
になります。
免疫不全ウイルスという名の
通り、すべての病気に対して
抵抗力が落ちてきます。
多いのは口内炎の悪化や、
鼻水や目やになどのネコ風邪の
症状が悪化、治らなくなったりします。
また、全身のリンパ節の腫脹も
見られます。
ただし、これらの軽い症状だけの
場合は、エイズ関連症候群と
言われ、厳密にはエイズ発症とは
区別されています。
ですから、症状が出たとしても
エイズ関連症候群の段階であれば
それらの症状に対して適切な治療を
行えば長期間の生存(3~5年)も可能です。
この状況の時に適切な治療が
施されない場合や、さらに進行
してしまうと後天性免疫不全症候群
となり、重篤な症状が起こります。
日和見感染やさまざまな合併症、
リンパ腫、悪性腫瘍、慢性の下痢
や重度の貧血などにより最終的には
死に至ります。
後天性免疫不全症候群になって
しまうと治療の状況や個体差も
ありますがそこからの余命は
おおよそ1~2ヶ月とされています。

これらのプロセスから考えると、
早く発症してしまい、適切な
治療が行えなかった、または
治療の効果が上がらなかった
場合でも感染してから短くても
5年は生存ができるのです。
また、発症までの期間が長かった
場合や、エイズ関連症候群の時点で
適切な治療ができれば10年以上、元気
に生活することも十分可能なのです。
<まとめ>
猫エイズ(免疫不全ウイルス)感染症は、
感染の年齢にもよりますが
家猫の平均寿命とさほど変わらない
ほどの長生きもできるということです。
外猫の平均寿命は5~6年と言われて
いますから、そう考えると決して
絶望的な病気ではないです。
また、抗ウイルス薬でも
インターフェロンなどの良い薬も
ありますし、症状に対しても
ステロイドを定期的に投与する
ことで症状は抑えられます。
他のさまざまな病気と比較しても
その治療や症状は、特別大変なもの
でもなく、エイズキャリアだからと
言ってネガティブに捉える必要は全くありません。
なるべく発症を遅らせるよう、
また他の病気にならないように
食事やストレスなどに注意
してあげるといいですね。