いわゆる猫カゼと呼ばれる
猫の上部気道感染症。
猫カゼを引き起こす病原体は、
主にウイルスや細菌などですが、
これは猫特有のものであって、
人や犬などに伝染ることはありません。
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鼻水やくしゃみなど風邪様の症状に
似ているため、猫カゼと呼ばれる
こともありますが、ヒトで言う
寒いからカゼをひいたと言うレベル
ではなく、インフルエンザのような
ものです。
多くの猫カゼの主な原因は、
・カリシウイルス
・ヘルペスウイルス
・クラミジア
などです。
また、これらの複合感染も多く
見られます。
<猫カゼの潜伏期間は?>
猫カゼの感染は、猫カゼの病原体を
持っている猫との接触感染や、
クシャミ、鼻水などに含まれる
ウイルスの飛沫感染、空気感染です。
ですから、同じ室内で猫カゼを発症
している猫さんがクシャミをすれば
他の猫全部に感染すると考えて良い
でしょう。
そのくらい非常に強い感染力を
持っているのが猫カゼのウイルスです。
潜伏期間は、
*カリシウイルス・・2~5日
*ヘルペスウイルス・2~6日
*クラミジア・・5~10日
とされています。
ただし、複合感染も非常に多い
ため、全般的に猫カゼの病原体と
して潜伏期間は2~10日と言われる
ことも多いです。
また、治療法もほとんど同様の
ため、病院でもどのウイルスかを
特定することもあまりなく、
ネコ風邪として治療を始めること
が多いのが現状です。
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<猫カゼの初期症状>
猫カゼの一般的な初期症状は
分かりやすいものでは、鼻水
やクシャミ、涙目、目やになどが
一般的には挙げられます。
また、パット見は分からない
ところでは、口内炎や発熱などの
症状が出ることも多いです。
それに伴い、食欲不振や元気消失
などが見られますが、初期で症状の
軽いうちは比較的元気な猫さんも多いです。
悪化すると、目やにや鼻水は
ドロドロとした膿のような状態に
なったり、目が開けられなく
なったりなども見られます。
また、体力のない子猫などの場合
には、重篤な状態に陥りやすく、
命に関わる危険もあるため、早期の
治療が大事です。

<感染を防ぐには?>
混合ワクチンの接種が一番大事です。
猫カゼの原因ウイルスは一度体内
に入ると、抜けることはなく、
保菌状態のキャリアになります。
そのため、他の何らかの病気など
によって抵抗力が落ちた時や、
ストレスなどで免疫力が落ちた時
症状がぶり返してしまうことが
多々あります。
しかし、毎年予防接種を継続して
いくことで、猫カゼに対する免疫力
が付き、症状が出にくくなってきます。
また、症状が出たとしても軽い
症状ですみます。

その他、多頭飼育の場合などは、
猫カゼの症状が出ている子がいる
場合には、治療して症状が治まる
までは、できれば部屋を分ける
など隔離するのが他の猫さんへの
感染予防になります。
また、ウイルスは低温、低湿度を
好むため、冬場などには感染力が
高まりますし悪化しやすくなります。
部屋の湿度はできれば60%~、
また気温は25℃~は維持する
ようにしましょう。
そして、一番大事なのは症状が
現れたら初期のうちにしっかりと
治療をすることです。
毎年ワクチン接種をしている体力
のある成猫で軽い症状で食欲もある
ような状態であれば放置していても
治まることもあります。
しかし、猫カゼは非常に慢性化
しやすい病気のため、その予防の
ためにもしっかりと治療することが
望ましいです。
また、外猫(野良猫)のほぼ100%は
猫カゼのウイルスを持っていますし、
何らかの症状が出ている子がほとんどです。
ですから、感染を防ぐためにも
お外には出さないようにすること
も大事です。