猫の慢性腎不全と言うと
ほとんどの場合が中齢~高齢期
に発症する病気と言われています。
しかし、若齢(1歳未満や2~3歳)
で起きる可能性もあり、実際に
若い猫さんの慢性腎不全という
のも比較的見られます。
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猫の腎不全は、腎臓の機能が落ちて
体の老廃物をオシッコと して体の外
に排泄することができなくなって
しまう病気です。
そしてこれは、ほとんどが加齢に
よって少しづつ、腎機能が低下
していくことから起きるとされています。
猫は、もともと砂漠のような水分の
少ない地域に生息していたため、
オシッコを濃縮して出すという
体の構造があります。
そのため、腎臓の働きが多く、
過度に負担をかけ続けてしまう
ため、徐々に機能がダメになって
しまうのが慢性腎不全です。
では、なぜ若い猫さんで
同じ病気、状態になってしまうの
でしょうか・・。

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<若齢の猫の慢性腎不全の原因>
若い猫さんに起きる慢性腎不全や
腎臓病の原因はほとんどが先天性、
遺伝性のもので、以下のものが
挙げられます。
<腎異形成>
腎臓が発育不全で小さいまま
止まってしまった状態です。
異形成の場合は、ほとんどが
2歳までに発症して腎不全になって
しまいます。
ペルシャやノルウェージャン
フォレストキャットなどが
かかりやすい猫種として挙げられます。
<アミロイドーシス>
腎臓にアミロイドというタンパク
が沈着し、機能不全に陥れることで
腎不全の症状が出ます。
遺伝性以外でも感染症や腫瘍など
他の疾患が原因になることも
あります。
また、アミロイドは肝臓や膵臓
など他の臓器にも沈着すること
があります。
アビシニアンやシャム、ソマリ、
オリエンタルショートヘアー
などがかかりやすい猫種として
挙げられます。
ただし、遺伝以外の原因もあるため
何らかの疾患のある猫であれば
かかる可能性はじゅうぶんあります。
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<多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)>
遺伝子の異常によって、腎臓の
機能を破壊する多発性の腎嚢胞
ができてしまい、腎不全を起こす
病気です。
多くは3歳~7歳で発症します。
多発性嚢胞腎は、人間では難病指定
されている病気です。
ペルシャやアメショー、
スコティッシュフォールドなどが
かかりやすい猫種として挙げられます。

<免疫介在性糸球体腎炎>
急性腎炎やネフローゼ症候群とも
呼ばれる病気です。
自己免疫が自分の腎臓を攻撃して
起きる病気で、腎臓の中の血液を
ろ過する働きを持つ糸球体に、
炎症が起き、腎不全になる病気です。
かかりやすい品種というのは
ないですが、若いオス猫、ウイルス
疾患(白血病、エイズ、FIPなど)、
腫瘍、炎症疾患などのある猫は
かかりやすいとされています。

急性腎不全からの移行
尿石症による尿道閉塞や何らかの
異物摂取による中毒などで急性腎不全
になることがあります。
急性腎不全は早期に適切な治療を
行えば治ります。
ただし、その急性腎不全で受けた
ダメージの影響でその後、慢性腎不全
となってしまうことも多いのです。

<先天性、遺伝性の腎不全の治療は?>
基本的には慢性腎不全の治療と同じ
ですが、腎不全を引き起こした上記
に挙げたような原因の病気が突き
止められれば、その病気の治療と
併用して腎不全の治療を行うように
なります。
ただし、腎異形成の場合には、
治療法はないため、腎不全の治療
のみになります。
他の病気に関しては、根本の
原因によっては、治療が可能な
場合もありますが、慢性腎不全と
同様に、ダメになった腎機能を
もとに戻すことはできません。
そのため、腎不全の治療自体は
ずっと続く状態になります。
そして、上記に挙げた若齢で腎不全
を起こす先天的な病気は治療も難しく
予後はあまり良くないのが一般的です。
ただし、早期発見で原因に対する
適切な治療ができ、腎不全の治療
の反応も良ければ、寿命を伸ばす
ことも可能です。
また、まったく原因が分からない
状態の若い猫での腎不全も
あります。