慢性腎不全の中期とは
猫の慢性腎不全は初期と
言われる状態から中期~末期
と血液検査の数値によって
ステージ1~4で分類されて
います。
ただし、ステージ1は血液検査上
では異常なし(異常があっても
分からない状態)とされているので
その他の尿検査などで判断します。
数値的に見ると
初期・・ステージ1~2
中期・・ステージ3
末期・・ステージ4
という認識になります。
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今回は中期(ステージ3)の状態
での症状や治療についてです。
いわゆるステージ3と言われる
慢性腎不全中期は、血中の老廃物
濃度の検査CRE(クレアチニン)の
数値が2.9~5.0の状態を指します。
慢性腎不全の指標とされるステージ
についてはこちら↓

ステージ3の状態で残存している
腎臓の機能はすでに25%以下です。
また、ステージ3という状態も
数値が2.9~5.0と幅があること
から中程度ではなく重度の症状が
現れることも多いです。
そして、腎不全の進行状態は
CRE(クレアチニン)の数値だけ
ではなく、リンなど他の数値や
血圧や尿タンパク、尿比重などを
総合的に見て判断されます。
ですから、ステージ3という数値
だけでは、体の状態は一概に
言えるものではないということに
なります。
こちらでは、ステージ3と言われる
状態で一般的に多く見られる症状や
治療などについてまとめていきます。

<ステージ3で見られる症状>
ステージ2までは、症状として
分かるのは多飲多尿やたまに
食欲不振、嘔吐程度の軽度な
ものですがステージ3になると
腎不全の顕著な症状が現れてきます。
*尿毒症から起きる胃炎によって
嘔吐や食欲不振。

*エリスロポエチン(赤血球の産生
を刺激するホルモン)の減少による
貧血。

*合併症による高血圧。

*老廃物を排泄しようと多量の尿を
出すため脱水状態。
など、さまざまな臨床症状が
出てきます。
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<ステージ3での治療>
*食事療法
腎臓病専用のキャットフード。
(タンパク質やリンの制限)
猫の腎不全の管理には食事療法が
重要です。

*活性炭の投薬
尿毒素を吸着して体外に排泄させる。

*皮下輸液(点滴)
脱水の改善と尿毒症の予防。
状態によって毎日~週に数回。
(自宅にて行うことが可能)
*状況に応じた薬
・頻繁な嘔吐がある場合には、
胃薬や吐き気止め。
・貧血には、増血ホルモン剤や
鉄剤。
・高血圧には降圧剤(ACE阻害薬など)
・高リン血症にはリン吸着剤
など、状況に応じてさまざまな
治療が組み合わされます。
ただし、慢性腎不全の管理に一番
効果的なのは、食事療法と皮下輸液
だと言われています。

食事と皮下輸液は基本的に家で
飼い主さんが行うようになります
ので、しっかりと管理、観察する
ことが重要になります。
また、自宅では、なるべく水分を多く
摂らせるよう工夫することも大事
になります。
腎機能や体の状態の検査のための
通院はだいたい1~2ヶ月に一度
程度になります。
(状況や病院によっても変わります)

猫の慢性腎不全の症状は
個体差や年齢、他の疾患、体の
状態によっても変わってきます。
自宅でもしっかりと状態を観察して
獣医師に伝え、状況に合った治療を
行うことで体の不快感や苦痛を楽に
してあげることが大事です。