完全な室内飼育の猫さんであれば
ほとんど心配する必要はないの
ですが、どうしてもお外に出て
しまう場合は、寄生虫などに
感染してくる可能性があります。
ですから猫さんの皮膚の表面や被毛
などに異変や虫らしきものを発見
することも多いです。
今回は、猫の外部寄生虫についてです。
猫のお腹の中に寄生する腸内寄生虫
についてはこちら↓

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猫の外部寄生虫
猫の皮膚に寄生する外部寄生虫は
代表的なものはノミ、マダニ、
シラミなどです。
これらは体表(皮膚の表面)に寄生
しますので人でも発見できます。
シラミはよっぽど視力の良い方
じゃないと見えにくいかもですが。
そして、疥癬(かいせん)といわれる
ヒゼンダニは皮膚の中に潜って寄生
している小さな寄生虫なので虫を
肉眼で確認することはできません。
耳に寄生するヒゼンダニ(耳ダニ)
は耳垢の中にいますが肉眼で確認
することは厳しい大きさです。
では、一つずつ見ていきましょう。
<ノミ>
ネコノミの体長は、
オスで1.2~1.8mm
メスで1.6~2.0mm
です。
出展:http://www.oita-nittoboueki.com/diary/5382/
出展:http://www.nikkei.com/article/
猫の体に寄生したノミは、
吸血をし、メスは一日に10個
以上の卵を産みます。
卵→幼虫→サナギ→成虫という
ライフサイクルです。
成虫の寿命は約2~3ヶ月で
生涯に約400個の卵を産みます。
猫の体で分かりやすいのは
ノミの糞です。
ノミは動きが早いため成虫を発見
するのは難しいため、ノミの糞の
有無で寄生を確認します。
黒っぽい粉のような感じのものが
被毛に付着します。
ノミ糞は血液の成分を含むため、
湿らせると赤っぽく滲みます。
出展:http://winculum.blog.fc2.com/blog-entry-354.html
ノミに寄生されると猫は痒みにより
体中を引っ掻くようになります。
また、ノミの唾液によるアレルギー
で皮膚炎や脱毛を起こします。
大量に寄生すると貧血を起こす
こともあります。
さらに条虫などの内部寄生虫を媒介
します。
また、ノミは人間を刺すこともある
ため、飼い主さんも激しい痒みや
皮膚炎を起こすことなどがあります。
<マダニ>
マダニは吸血することによって
どんどん成長していきます。
吸血前と吸血後では100~200倍
近く、大きさの違いがあります。
マダニはさまざまな種類が
いますが大きさはほとんど一緒
です。
オスで2.8~3.2mm
メスで2.0~2.5mm
です。(いずれも未吸血時)
出展:http://www.bayer-pet.jp/pet/library/parasite/madani/madani03.html
成ダニは寄生したら3~10日間
吸血し、その後地上に落ちて産卵
します。
画像のように吸血を繰り返し、
徐々に大きくなっていきます。
出展:https://myu-cat.jp/I0000913
マダニは目のフチや耳など
被毛の少ない部分に寄生する
ことが多いです。
最初はイボ?できもの?と
思ってしまうこともあります。
出展:http://tatazoo.blog67.fc2.com/blog-entry-159.html
出展:http://kamokujin.cocolog-nifty.com/blog/
出展:http://www.shiranaga.jp/main/babesia/
マダニはのこぎりのような口を
皮膚にさしこみ、吸着物質を分泌し
口を皮膚に固定して吸血をします。
そのためマダニは猫が引っ掻いても
取れず、人間でも簡単に取ることが
できないのです。
無理に引っ張ると口の部分が皮膚
の中に残ってしまい、炎症を
起こすことがあります。
また、マダニはバベシア症や
ライム病・Q熱・SFTSなどを媒介します。

人間も吸血されるとこれらの
病気に感染する可能性もあります。
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<シラミ>
猫に寄生するシラミは「ネコハジラミ」
です。
ネコハジラミの体長は、
1.0~1.5mm。
白い粉のようなハジラミの卵が
被毛にフケのような感じで見られます。
出展:http://www11.plala.or.jp/sato-vet/cat%20hajirami.html
ハジラミ自体は良く見ると動いて
いるのが確認できます。
肉眼で見るとこんな感じです。
出展:http://ameblo.jp/mushman/
病院では顕微鏡にて確認します。
出展:http://www11.plala.or.jp/sato-vet/cat%20hajirami.html
成虫の寿命は2~3週間。
卵は産み付けられてから
10~20日で孵化します。
ネコハジラミは吸血をすることは
なく、皮膚の表面でフケなどを
食べて生活します。
そのため、ノミのような激しい痒み
ではありませんが、放っておくと
皮膚炎を起こし脱毛や痒みが起きます。
また、ハジラミは条虫の中間宿主に
なるため、猫がハジラミを食べて
しまうとお腹の中に条虫が寄生する
こともあります。
ネコハジラミは種特異性が高く
寄生動物が決まっているので、
猫にしか寄生せず、人間に寄生する
ことはありません。
ノミ、マダニ、シラミは同じお薬で
簡単に駆除、予防できます。

<疥癬(ヒゼンダニ)>
猫のヒゼンダニの寄生は、
疥癬(かいせん)と呼ばれます。
ヒゼンダニは、肉眼で見ることはで
きない小さなクモに似た寄生虫で
皮膚の中に潜り込んで寄生します。
出展:http://vet-dogs-cats.at.webry.info/
ヒゼンダニは体表に寄生し、表皮を
食べて生活します。
メスは、皮膚に2~3mmのトンネルを
掘って産卵を繰り返します。
卵は3~10日で孵化し、成ダニに
成長し産卵をするまで約3週間
かかります。
ヒゼンダニが皮膚にトンネルを
掘る時に非常に激しい痒みを
伴います。
猫の皮膚病の中で一番と言われる
ほどの痒みで、猫は激しく体を
掻きむしり、出血してしまうほど
引っ掻いたり噛んだりします。
出展:http://peco-japan.com/51872
特に毛が少なくやわらかい耳や顔、
肘やお腹などに症状が出やすいです。
出展:http://suruga-doubutsu-ah.com/modules/blog
猫のヒゼンダニは人間にも感染する
ことがあります。
体の柔らかい部分に赤い発疹が
できて、激しい痒みがあります。
ただし、ヒゼンダニは人間の皮膚
では3週間以上生きることはできない
ので、症状は一時的なもので終わります。

<耳ダニ(ミミヒゼンダニ)>
猫のミミヒゼンダニは、動物の耳の
中にだけ寄生する耳専門のダニです。
ミミヒゼンダニの体長は、
0.2~0.3mm。
出展:http://ecol-biol.com/category1/entry3.html
出展:http://throneskingdom.blog103.fc2.com/blog-entry-115.html
成虫の寿命は約2ヶ月で、耳の
分泌物は耳垢を食べて生活します。
卵は2~4日で幼虫になり、成虫に
なるまでは約3週間かかります。
ヒゼンダニの糞や、分泌物の
混ざった黒い耳アカが大量に出てきます。
出展:https://www.bayer-pet.jp/pet/special-advo-cat/
出展:http://healthil.jp/images/465335
激しい痒みを伴うため、しきりに
引っ掻いたり、頭を振ったりします。
また、引っ掻くことによって耳の
周りの皮膚が脱毛したり炎症を起こす
こともあります。
放置して進行すると慢性の外耳炎
になってしまいます。
人間にも感染し皮膚に痒みや発疹
を伴うこともありますが、寄生する
ことはなく、症状は一時的なものです。
