猫の慢性腎不全は治る見込み
のない病気です。
徐々に症状は進行していき、
最後には亡くなってしまう
猫の死因のトップに挙げられる
代表的な病気ですね。
腎不全と診断されてから・・
その時の状態、ステージにも
よりますが、その治療は亡くなる
まで続く長い闘病になる病気です。
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こちらでは、腎不全と診断された
猫さんの治療やケアについて
まとめてみましたので参考にしてください
メニュー
慢性腎不全という病気と闘うために
猫が腎不全と診断されたとき、
血液検査がメインとなり、その数値
によって診断されますが・・
その時点で、ステージ2の軽症で
あってもすでに腎臓の機能の75%
は失われている状態です。
(現在では、腎機能が40%失われた
段階で分かるとされる新しい検査法
もあります)

そしてこの失われた機能を
取り戻すことはできないため、
残された腎臓の機能をいかに
保つかがその後の寿命とも言えます。
*残った腎機能を助けるため、
活性炭の服用で老廃物を体外に
排出する。
*腎臓に負担をかけない食事管理
(処方食)。
*血圧の管理や吐き気止め、
ホルモン剤など、症状に合わせた薬
の投薬。
*定期的な点滴(皮下輸液)や
血液検査のための通院。

長く生きてもらいたい・・
と思えば、少なくとも上記に
挙げたような治療がずっと必要
になってきます。
これが数週間なのか、
数ヶ月なのか、数年なのか?は
はっきり言って誰にも分かりません。
もちろん、血液検査の数値で
ある程度の予測はできますが、
それはあくまでも一般的なデータ
であり、非常に個体差が出るのも
事実です。
しかし、残され腎臓をなるべく
長く持たせるためには、決められた
治療はしっかりとしていかなければ
いけません。
また、猫の状態をしっかりと
観察しながら定期的に検査を
行い、数値を追って行く必要も
あります。
つまり、通院も含め、家での
投薬や食事、飲水量、体調管理
など飼い主さんがしなければなら
ないことはたくさんあります。
そしてそれはずっと続くのです。
終わるときは猫さんの最期です。
腎不全の猫さんの自宅でのケア
は腎不全の進行具合、病状に
よっても変わってきます。

<軽~中度の場合>
個体差はありますが、慢性腎不全の
場合、ステージ2~3(CREが5以下)
のうちは比較的食欲もまだあること
が多いです。(ムラはあります)
ある程度の食事は食べ、多飲多尿
の症状が出ている状態です。
*投薬
まず、大事なのは与えられた
薬はしっかりと飲ませること。
猫の場合はコバルジンという
活性炭の薬は必ず処方されるはずです。
この活性炭が体の老廃物を吸着
して体外に出してくれる役目を
果たします。
また、状況に応じて降圧剤や
吐き気止めも処方されます。
家での猫さんの状況・・
吐き気の具合や食欲などに
よってお薬も変わりますので
しっかりと観察することも大事です。
*食事
また、食事の管理も重要です。
腎不全の場合は腎臓に負担を
かけないよう、タンパク質や
リン、ミネラルを抑えた処方食
が出されます。
グルメな猫さんはなかなか食べない
子もいますが、ゆっくり時間を
かけて切り替えていくようにしましょう。
*室内環境
ストレスは病気の大敵です。
猫さんがストレスのないよう、
日常通りにくつろげる空間を
維持してあげてください。
また、体調が悪い場合に猫さんは
暗い狭いところに入りたがります。
猫さんが自由に行ける、
落ち着ける暗い場所を確保して
あげましょう。
季節にもよりますが、快適な
室温を保つようにしましょう。
また、体調が悪いと猫さんは
自分でグルーミングをあまりしなく
なります。
そのため、ブラッシングなど
こまめにケアしてあげる必要も
あります。
あくまでも猫さんのストレスに
ならない程度にですが。
*通院
定期的な血液検査や診察に通院
する必要があります。
これは猫さんの状態や腎臓の数値に
よっても頻度は変わってきますので
事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、状態によりますが、
食欲もなく、水もあまり飲んでいない
状態のときには皮下輸液が必要に
なることもあります。
これも腎臓の数値にもよりますが
継続的に週に1~2回程度で輸液が
必要な場合もあります。
また、定期的にホルモン剤の注射
などが必要になることもあります。
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<重度の場合>
腎不全の重度とはステージ4と
言われ、CREの値が5.0以上の
状態です。
こちらも個体差がありますが、
この頃になると定期的な輸液に
通う必要性が出てきている頃です。
状態によっては毎日通院しなければ
いけない状況のときも。
また食欲も落ちてきて、水も
あまり飲まなくなっている状態が
多く見られます。
*食事
基本的には家でできるケアとしては
軽~中度のときと同じですが、
食事については、食べれるもの
を与えてもいい時期かもしれません。
もちろん処方食を食べてくれれば
一番良いのですが、食欲がなく
処方食を食べず、グルメなフード
なら食べてくれそうな場合はそれを
与えるのも仕方ない状況であるとも
言えるのです。
何も食べないのはもっと良くない
ので。
ただ、処方食も缶詰タイプの
ちょっと美味しそうなものも
ありますので色々試して工夫して
みるといいですね。
処方食に匂い付け程度にグルメ缶
を混ぜてもいいですし。
*脱水や便秘
腎不全で水をあまり飲めなくなる
と脱水を起こします。
その脱水の補正のためにも輸液や
点滴が必要になるのですが、
脱水状態になると慢性の便秘を
起こしやすくなります。

食事をあまり食べないからウンチ
もあまり出ないのかな・・と思って
しまいがちですが、実は便秘に
なっていることもあります。
排便チェックもしっかりしましょう。
そして猫さんの場合は触診で
便秘の具合も分かりますので
心配なときは診察してもらいましょう。
*皮下輸液
水分も多めに摂らせたいですが
無理に与えるとかえって吐き気を
誘発することもありますので
無理はしないようにしましょう。
そして、この時期には家での輸液
を勧めてくれる場合もあります。
ほぼ毎日、一日起きくらいに輸液が
必要になるためです。
獣医師にその後の治療や経過に
ついてしっかりと話を聞きましょう
*神経症状~最期
腎不全の末期は尿毒症になり、
痙攣などの神経症状が出てきます。

歩くこともできなくなり、その場
でおもらししてしまったり、
痙攣時に失禁してしまいます。
なるべく体をキレイに保ってあげましょう。
意識も徐々になくなり昏睡状態に
陥ります。
この状態になるともっても
数日です。
時間の許す限り側にいて、抱っこ
してあげましょう。
暖かくして優しく撫でて声を
かけてあげましょう。
もうこの状態になると他にして
あげられることはありません。
可能であれば腕の中で最期の時
を迎えさせてあげれるといいですね。