人畜共通感染症(ズーノーシス)とは?
猫に限らず、動物から人間に感染
する、または感染すると思われる
疾患のことを「ズーノーシス」
(人畜共通感染症)と言う呼び方をします。
このズーノーシスは別名
「ペット感染症」と言われ、
ペットの飼育頭数の増加や多様化
に伴い日本でも注目を集めてきています。
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感染の方法はいろいろで、
病気を持っている動物に噛まれる
ことによって感染するものもあれば
空気感染するものもあります。
また、感染元となる動物は症状が
出てないのに、人間に感染すると
重大な症状を引き起こすものもあり
病気によってさまざまです。
例えば犬で有名な代表的な
ズーノーシスに「狂犬病」がありますね。
日本ではもう何十年も発症は
ありませんが、海外では今でも
人間への感染が多く見られる地域
もあります。
また、「鳥インフルエンザ」など
もそうです。
実は、このズーノーシスは意外に
たくさんの種類があるのです。
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猫から感染する病気は!?
猫から感染するズーノーシスも
さまざまなものがありますが、
主に挙げられるのは、
<猫のトキソプラズマ症>
猫からの感染として有名な病気です。
トキソプラズマという寄生虫(原虫)
が感染する病気で、妊婦に感染すると
胎児に影響を与えるということで
心配される病気です。
また、人間の脳にも影響を及ぼして
いると言うことで近年注目されてきています。
トキソプラズマに感染した動物の肉
(豚肉や鶏肉)を生で食べたり、
感染した猫の便から排泄された
トキソプラズマのオーシスト
(卵のようなもの)が口から入ることで感染します。

<猫の腸内寄生虫>
猫のおなかに寄生する虫の卵は、
猫の体(口や肛門のまわりなど)に
付着しています。
そのため猫さんと濃厚なスキン
シップを行い、手を洗わずにいれば
偶発的に手指に付着した虫卵を
飲み込んでしまうことで、人にも
感染することがあります。
回虫や鉤虫、条虫などが挙げられます。

<猫の外部寄生虫>
猫の皮膚に寄生するもので
主なものはノミ・マダニ・シラミ・
疥癬(かいせん)・耳ダニ
などが挙げられます。
これらの寄生虫は、
人間も刺されたりと影響が出る
ことはありますが、人間の皮膚
では繁殖できないため長期に渡って
寄生することはありません。

<猫の真菌症(白癬・カビ)>
皮膚糸状菌症は、真菌症・白癬・
猫カビなどとも呼ばれ、
治りにくい猫の皮膚病の一つとして挙げられます。
その名のとおり、皮膚糸状菌という
真菌に感染することにより、
皮膚にさまざまな病変を伴う病気です。
人間にも感染する可能性があります。
肌の弱い人や、抵抗力の弱い子供や
高齢の方などは注意が必要です。

<猫のクラミジア感染症>
クラミジアは細菌とウイルスの中間に
位置する病原体で、人畜共通の感染症の一つです。
一度感染をしてしまうと病原体は
全身に存在するので、分泌液や便中
にもクラミジアを排出してしまいます。

<猫ひっかき病>
バルトネラと呼ばれる細菌により
人間に風邪に似た症状を及ぼす感染症です。
名前のとおり、猫に引っかかれたり
噛まれたりした後(約2週間後)に、
リンパ節が腫れる症状が見られ、
頭痛や発熱などの症状が現れます。

<パスツレラ症>
パスツレラと呼ばれる細菌が猫に
噛まれたときに感染する病気で、
噛まれた傷がひどく化膿する症状が見られます。
<Q熱>
リケッチアと呼ばれる細菌の
仲間に感染することにより風
邪のような症状が見られます。
マダニなどが媒介する病気です。
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上記のような人畜共通感染症は、
基本的に飼い猫の健康管理を
しっかりとしていればほとんどが
防げる病気です。
予防できるものはしっかりと予防!
(予防接種や駆虫など)
室内飼育を徹底する!
また、トキソプラズマなどは、
抗体検査をしておいて、その後に
感染しないよう飼育を気をつければ防げます。
猫も人間も言ってしまえば、
同じ哺乳類の動物です。
同じように移る病気があっても当然です。
これは人間同士でも言えることですよね。
ですから、猫から感染する可能性の
ある病気のことをちゃんと知って、
予防できるものはしっかり予防して、
私たち人間が気をつけていくことで、
なんの問題もなく、楽しく生活して
いくことはまったく難しいことではありません。