マーキング(スプレー行為)について
猫が急にあっちこっちに
オシッコをするようになった!
壁や柱にオシッコをかける!
強烈な匂いで大変!
なんとかならないの?
治らないの?
猫さんのお悩みで多いのが
このオシッコの問題です。
スポンサーリンク
本来、猫はとってもキレイ好き!
おトイレのしつけも必要なく
ちゃんとトイレでしてくれる。
そんなイメージですが、
このオシッコがなかなか大変な
問題になってしまうことも多く
あります。
飼い主の方が頭を悩ませる、
オス猫に多く見られる尿スプレー
行為についてです。
マーキング(匂い付け)とも
言われる、飼い主にとっては
とても大変な猫の問題行動の一つです。
これは、単にオシッコを粗相
しているのとは訳が違い、猫の
本能から来る行動なのです。

<マーキング(尿スプレー)とは>
猫が尻尾をピンっと立て、
壁や柱・家具などの垂直面に少量の
オシッコを吹きかける(スプレー)
行為がマーキングです。
ほとんどはオス猫の行動ですが、
メス猫にも見られることはあります。
スプレーしたオシッコには、
腺分泌物が混じり、性別や
ホルモン状態、年齢などの
情報が含まれていて、独特で強烈
な匂いを発します。
マーキング場所としては主に、
家の玄関や部屋の入口、窓枠の近く、
通路などが多く見られます。
マーキングはオシッコが多い
ですが、ウンチでする場合もあります。
その他、爪とぎや、顔や体など
をこすりつける行為もマーキング
の一種です。
<なぜマーキングをするのか>
これは、野生の名残りと言われます。
防衛・威嚇行動:
猫は、単独で狩りをする肉食動物
であったため、自らのテリトリー
を守る必要がありました。
尿・便・皮脂腺からの分泌物などに
よる臭覚マーキングや、爪とぎ跡
などの視覚マーキングを用いて
自分のテリトリーを示していました。
また、その逆で他の猫のマーキング
を見ると、その場所への侵入を
避けるという行動をとります。
マーキングが薄れると同じ場所
にマーキングをし直します。
室内の猫では多頭飼育の場合に
他猫への威嚇・または庭などに
野良猫や他の猫が入ってきたとき
などにスプレー行為をすることが多いです。
性的行動:
分泌物に含まれるフェロモンに
より、求愛行動・性行動などの
アピールやコミュニケーションを図ります。
猫フェロモンは猫同士だけで
嗅ぎ取ることができる物質です。
転嫁行動:
猫は犬と違い、社会性が低い動物です。
そのため、ストレスを感じやすいのです。
また、多頭飼育の場合は特に
ストレスがかかりやすいです。
他の猫や来客・家具の配置変え・
見知らぬ物や匂いなどちょっと
した生活環境の変化でも不安を
感じます。
また、飼い主の行動や接し方
によってもストレスを抱えることもあります。
この不安や葛藤を解消するために
転嫁行動として、マーキングを
することがあります。
スポンサー リンク
<マーキングの対処法>
*未去勢・未避妊の場合は、去勢・避妊手術をする。
オスの90%・メスの95%で
マーキング解消・または回数が減少します。
*猫が不安・脅威と感じるものを取り除く。
もし、マーキングが始まった
きっかけになるような出来事や
物などが分かればそれを排除する。
室内から野良猫などが見えない
ように工夫したり、庭には入って
これないようにする。
自分の縄張りは安全だと感じさせることが大事です。
*マーキングをした場所は徹底的に掃除する。
動物専用の消臭剤・酵素洗剤
などを使って、匂いを残さないようにする。
*マーキング場所に近づけないようにする
物理的にそこに行けないようにする。
また、マーキング場所に食事
(キャットフード)を置くという
方法も効果があります。
猫が近づくと音が出たり、
驚くような仕掛けをするのも手です。
*猫を叱らない
猫を怒ってもまったく無意味です。
猫もストレスを感じ、飼い主も
嫌われるだけなのでやめましょう。
*マーキング行為は無視する
もし、スプレーをしているところ
を発見しても大きな声を出したり
やめさせようとしたりして構って
しまうと、逆にそのスプレー行動
を強化してしまうことになります。
ですから一切無視して、猫が
その場からいなくなったら掃除しましょう。
<マーキングに対する薬物療法>
上記のことを試しても、改善が
見られない場合はお薬(抗うつ薬や
抗不安薬)などの投与・もしくは
サプリメントなどで、猫の恐怖や
不安を取り除いてあげる薬物療法が推奨されます。
動物病院で相談してください。

猫さんのマーキング行為は
室内で一緒に生活している飼い主
さんにとっては深刻な問題です。
大変だとは思いますが、
焦らずじっくりと猫さんと
向き合って、改善されていくよう
に頑張りましょう。
*泌尿器系の疾患がないことが
前提での対処法です。

事前に病院で尿検査などを受けて
疾患がないことを確認してくださいね!