猫の避妊(不妊)手術について
人よりずっと寿命の短い猫は、
その分、成長も早くあっという間に
大人になります。
そして可愛い子猫ちゃんも成長すると
性的に成熟して、本能のままに
子孫を残すための生殖行動を求める
ようになります。
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この時期を発情と言います。
メス猫は生後6ヶ月~12ヶ月
の時期にやってきます。
オス猫は生後5ヶ月~12ヶ月の
時期にメス猫の発情に促され、
発情は始まります。
通常、お外で自由に生活している
野良猫さんであれば、本能の赴く
まま、交尾を繰り返したくさんの
子供を産みます。
室内で飼われている猫さんは、
自由に交尾行動ができないため、
いつまでも交尾行動を求め、
鳴き声や行動でそれを表します。
また、オス猫の場合は攻撃性が
増したり、尿スプレー行動が見られます。
この発情期を回避して、
猫さんのストレスを取り去って
あげるには避妊・去勢手術が有効
かつ推奨されます。
by fuji7033
こちらでは、猫の不妊手術(オスは去勢、
メスは避妊)のメリットやデメリット、
手術についてなどをまとめてみました
ので参考にしてください。
メニュー
<メス猫の避妊手術とメリット>
避妊手術には、発情の回避以外に
病気予防などさまざまなメリットがあります。
*発情に伴う鳴き声などの問題行動の抑制。
*交尾欲求などの性的ストレスの軽減。
*望まない交配、妊娠、出産の回避。
*乳腺腫瘍の発生率の低下。
*卵胞嚢腫などの卵巣疾患の予防。
*子宮蓄膿症などの子宮疾患の予防。

<避妊手術法について>
今は、基本的にすべての動物病院で、
避妊手術は、子宮卵巣全摘出手術が
行われます。
避妊手術は、妊娠しないためと
いうイメージも強いですが、発情の
回避、性ホルモンが関連する病気の
予防のためという目的があるため、
子宮、卵巣共に摘出します。
これによって、上記に挙げたメリット
すべてが受けられます。
手術では、全身麻酔下でお腹を切開して
子宮・卵巣を取り出し、閉腹して終わりです。
入院は通常は1泊で、翌日退院となり、
抜糸は1~2週間後になります。
手術時間は麻酔をかけ始めてから、
おおよそ30~60分です。
手術費用は平均で2万円~4万円です。
*いずれも動物病院により多少異なります。
また、傷口が小さく、体の負担も少ない
とされる腹腔鏡手術を行う病院もあります。

<オス猫の去勢手術のメリット>
*尿スプレー行為の改善(治らない子も1割ほど)
*攻撃性の低下
*性的なストレスの軽減
*他猫とのケンカの抑制
*他猫とのケンカによってうつされる病気の予防
オス猫の場合には、メス猫のように
性ホルモンが関連する病気は少なく、
去勢手術は、発情による行動変化の
抑制やそれに伴う外出、他猫との喧嘩
による感染症、事故などを防ぐことが
メインとなります。

<去勢手術法について>
オス猫の去勢手術は睾丸を摘出します。
全身麻酔下で、睾丸の皮を切開して
中から睾丸を取り出します。
オス猫の場合は切開した場所を
縫合せず自然治癒させるため、
抜糸はないことが多いです。
入院は通常1泊です。
(たまに日帰りのところもあるようです)
手術時間は麻酔も含め、15~25分です。
手術費用は平均で1万円~2万円です。
*いずれも動物病院により多少異なります。

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<避妊・去勢手術のデメリット>
メス・オス共に不妊手術を行うことに
よって以下の変化やデメリットがあります。
【食欲増進と消費エネルギーの低下】
要は、食欲が増して、欲しがるままに
与えていると肥満になってしまうと
いうことです。
→これは手術後の食事管理によって対処できます。
【手術時の麻酔のリスクがある】
これは、不妊手術に限らず全身麻酔で
100%安全な麻酔はないということです。
→これは術前の検査などで、ある程度
の予測はできるため、リスクが高い場合
などは手術は行えませんし、またリスク
を最小限にするため術前・術中・術後
にも最善の注意が払われます。
主なデメリットは以上ですが、
その他、性格的に変化がみられる場合
もあります。
ただ、ほとんどの場合、穏やかに
温厚になります(特にオスの場合)ので、
これはメリットの方に挙げられる
ことが多いです。
ですから、無事に手術が終われば、
後は肥満さえ防ぐように食事管理を
徹底していけば、デメリットと言える
ものはないです。
肥満にしてしまうと、糖尿病などの
リスクが高くなり、また加齢に伴い、
関節炎などの負担の高くなります。

<猫にとっての避妊・去勢手術とは>
猫の生殖行動(交尾行為)は
強烈な欲求であり自然の本能です。
交尾できない猫のストレスは、
私たち人間が想像する以上のものです。
子供を産ませる気がないのに、
発情を繰り返すことは、猫の体や
精神面に大きなストレスをかけ続けることになります。
そして、現段階の獣医学において、
避妊・去勢手術のメリットは、
デメリットを大きく上回ると言えます。
良く検討して、愛猫さんの健康と長生きの
ために、そして飼い主さんのためにも最適
な判断をしてくださいね。