猫の病気

猫のトキソプラズマの検査と費用や症状、治療について!

 

人畜共通の感染症(ズーノーシス)は
さまざまありますが、その中でも
特に猫という動物から感染するという
イメージが強いのがトキソプラズマ症です。

 

妊婦が感染すると危険(胎児に影響)
ということで知られる感染症ですが
しっかりとトキソプラズマの知識を
理解していれば猫を飼っていても
心配する必要はありません。

スポンサーリンク


こちらでは、猫のトキソプラズマ症
について、検査や症状、治療などを
まとめてみましたので参考にしてください。

<トキソプラズマ症とは>

 

トキソプラズマ症は、
アピコンプレックス類に属する
トキソプラズマ原虫に感染することに
よって起こる感染症で、人や他の動物
にも感染するズーノーシスです。

 

トキソプラズマ原虫は、ネコ科動物
を終宿主とする寄生性単細胞生物で、
ネコ科動物の体内(腸管内)でのみ
有性生殖を営み、人を含む他の動物
では、無性生殖(中間宿主)を営んでいます。

 

【有性生殖とは】

雄と雌による受精によって新しい個体
をつくる。
親の遺伝子を受けつぐため、種として
の形質以外は両親とは異なる形質を示す
→多様な子ができる→環境が変化しても
生き残る可能性が高い(適応力が大きい)

 

【無性生殖とは】

体細胞分裂などによって新しい個体を
つくる。
元の個体と同じ遺伝子をもつため、
親とまったく同じ形質を示す→
環境が変化すると全滅する可能性がある
(適応力が小さい)

 

そして、その宿主となる動物や感染
ステージによって

*タキゾイト
(中間宿主の細胞内で急速に発育し
形成される娘虫体、主に感染初期や
発病期に見られる)

*シスト
(生物体が作る被嚢・嚢子・包嚢のこと、
一時的に細胞体や幼生が厚い膜を
被って休眠に入ったような状態、主に
慢性期に見られる)

*オーシスト
(有性生殖によって作られ、被膜・被殻
が形成された卵のようなもの、ネコ科
動物の糞便と共に排泄され土壌等の
自然環境中で数ヶ月以上生存する)

の3つの形態があります。

トキソプラズマオーシスト↓
WS000009

トキソプラズマにとって、感染可能な
オーシストを体外に排泄できる
終宿主はネコ科動物だけです。

 

そのため、トキソプラズマ=猫
言われるのです。

 

<トキソプラズマ症の感染原因について>

 

ネコ科動物の糞便中に排出された
オーシストは、数日かけて発育、成熟
して感染力をもつ胞子形成オーシスト
なります。

 

この胞子形成オーシストが経口摂取
によって体内に入るとオーシストから
出た原虫が細胞内で増殖します。

 

さらに感染後数週間で、増殖した原虫は
宿主側の免疫によって減っていき、
シストが形成されます。
このシストは厚い幕に包まれているため、
細胞内(脳や筋肉中)で長期間生存します。

 

このシストが他の動物の口から体内に入ると
シストから出てきた原虫が増え、新たな
宿主の体内でシストを作るということを
繰り返します。

 

人や他の中間宿主は、
このトキソプラズマシストを含んだ
動物の肉(豚肉や鶏肉)を生で食べたり
感染猫の便に排出されたオーシスト
が口から入ることで感染となります。

 

猫でも、このシストを持った中間宿主
(ネズミなど)の捕食や他の動物の生肉
を食べたり、また感染猫の糞便中の
オーシストを摂取することによって
感染します。

 

また、母体から胎児への胎盤感染
(母体感染)もあります。

猫の寄生虫で人間に感染する種類と、その場合の症状は?

 

<症状について>

 

トキソプラズマは,いったん
感染すると生涯にわたって体内に
潜伏感染する虫体です。

 

ただし、トキソプラズマ症は、
典型的な日和見感染症です。

日和見感染症:
免疫力が低下した場合に、健康体では
問題とならないような病原体に感染
することにより発症する感染症。
(抵抗力が弱まったため、普通は病原性
を示さない菌による感染を起こす)

 

そのため、健康で免疫機能が正常な成猫
が感染しても、無症状またはほとんど症状
がないため、感染したことも分からない
場合が多いです。
(発熱やリンパ節の腫脹が数日間起こる
場合もあるが自然に治癒する)

 

ただ、猫エイズや猫白血病、また他の
病気などで免疫力が低下しているときは、

・下痢や嘔吐
・食欲不振
・咳や呼吸困難
・運動失調

などが見られる場合があります。

 

また、子猫に見られる
急性トキソプラズマ症では、

発熱
・呼吸困難
・眼炎(ぶどう膜炎)
・嘔吐
・下痢(粘血便)
黄疸
・神経症状(
けいれん、麻痺など)

が起こり、治療が遅れると
助からないこともあります。

 

人の場合も同様で、免疫系が正常に
機能している人であれば、感染しても
症状は現れないことが多いです。
(10~20%の人でリンパ節の腫脹や発熱
などインフルエンザのような症状が出る
ことも)

 

ただし、猫と同様に免疫不全症候群
(エイズ)や臓器移植を受けた人などの
場合には、重篤な症状を起こすことも
あります。

 

その場合には、
リンパ節の腫脹、高熱、悪寒などの
症状から始まり、感染場所によって
さまざまな病状が現れます。
肝炎・肺炎・脳炎・心筋炎など・・
特に脳炎になると脱力、痙攣、言語障害
などの神経症状が見られます。

 

また、妊娠中の女性に初感染すると
胎盤感染によって胎児が、
【先天性トキソプラズマ症】となる
可能性があります。
(母体の健康に影響が出ることは
ほとんどない)

 

妊娠中にトキソプラズマに初感染した
妊婦の約30~40%から、先天性
トキソプラズマ症の感染児が生まれる
とされています。

 

胎児が先天性トキソプラズマ症を
発症した場合には、

*脈絡網膜炎(失明に至る)
*肝臓や脾臓の腫大
*黄疸
*水頭症(脳室に過剰な脳脊髄液が貯留)
*頭蓋内石灰化(カルシウム沈着)
*精神遅滞(知的機能の低下)
*死産や流産

などが起こります。

 

先天性トキソプラズマ症は、
母体が妊娠の6ヶ月前~妊娠中に
初めてトキソプラズマに感染した
場合に起こるリスクが高いですが、
すでにトキソプラズマに感染歴が
ある妊婦の場合には、通常は胎児が影響
を受けることはない(非常に稀であり
特殊なケースのみ)とされています。

スポンサー リンク


<検査法と費用、診断について>

 

トキソプラズマの検査は、
血液検査による抗体検査で診断します。
(外注検査です)

 

間隔を2〜4週間空けて2回採血します。
(感染初期には抗体価が上がらないため)

 

そして抗体の数値が上昇するかどうか
確認します。
抗体価が4倍以上上昇すれば感染の
可能性が疑われます。

 

また、感染初期であれば、糞便検査
トキソプラズマのオーシストが検
出されることがあります。

 

検査費用は病院によっても
変わりますが平均で
5.000円~6.000円ほどです。

 

<治療について>

 

抗菌薬(サルファ剤)を数種類、
組み合わせて治療していきます。

 

また、下痢や発熱などの症状が
ある場合は、そちらの対処療法も
同時に行っていきます。

 

治療、回復後は免疫ができるため
再発症は
ないですが、トキソプラズマ
原虫は生涯に
わたって潜伏し続けると
されています。

 

ただし、ネコ科動物がオーシストを
糞便中に排出するのは、初めて感染した
場合のみであり、また感染後の短い期間
です。(感染後3~24日後にオーシスト
の排出が始まり,約10日間排出される)

 

ですから、猫の体内にトキソプラズマ
が潜伏し続けていても、その後その猫
から他へ感染することはありません。

 

また、人での治療も同様に、抗原虫剤
としてサルファ剤の他、抗葉酸代謝拮抗剤、
ステロイドなどが使われます。
(また妊婦の場合はトキソプラズマ原虫剤
としてマクロライド系の抗生物質などが
使われます)

 

<トキソプラズマ症の予防について>

 

トキソプラズマ症に感染しないように
するには、

*猫は外で感染するケースが多い
ので、室内飼育を
徹底する。

*生肉は与えない。

*ゴキブリ、ハエ、ネズミなど
のいない衛生的な
飼育環境を維持する。

*外猫や拾った子猫などが下痢を
した場合には
すぐに検便や抗体検査を受ける。

などが大事になります。

 

その他、人も感染に気を付けないと
いけません。
オーシストは、猫の糞便や動物の肉だけ
でなく土壌中にも存在しています。

*生肉は食べない

*生肉を触ったら、手や指、まな板や
包丁を良く洗う

*野菜や果物は良く洗って食べる

*ガーデニングなど土に触る時には
使い捨て手袋を使うなど、また作業後は
良く手を洗う

*井戸水の摂取は控える

などですね。

 

特に妊婦さんや妊娠前の女性は注意が
必要ですね。

 

ただ、トキソプラズマは人間の10~25%
が感染ていると言われます。

 

また、妊娠したら(もしくは妊娠予定)
飼い猫のトキソプラズマの検査をと
言われますが、それ以前に妊婦さんが
トキソプラズマに感染している可能性
もあり、その場合には再感染によって
胎児に影響を与える可能性はほとんど
ありません。

 

そのため、もし飼い主さんに感染歴が
あれば、必ずしも猫に検査が必要に
はならないのです。

 

ですから、まずは猫の検査の前に
ご自分の感染歴を検査してもし感染歴
がない場合には、猫も検査という流れ
でも大丈夫です。

 

動物病院でも相談してみてくださいね。

スポンサーリンク

あなたにオススメ記事

関連記事

  1. 猫の腎不全は完治する?急性と慢性によっての違いや予後とは?
  2. 猫の全身麻酔における後遺症や副作用、死亡率などについて!
  3. 猫の気管支炎~咳が止まらない~原因や治療と予防法まで!
  4. 猫の慢性腎不全の薬セミントラの効果や副作用などは?
  5. 猫のクリプトコッカス症の原因と症状・治療法は?
  6. ペットの最前線がん治療!熱でガンが消滅!?温熱療法とは?
  7. 猫の耳血腫の原因や症状と治療法!耳たぶの腫れに要注意!
  8. 猫が風邪をひいて食欲がない,ごはんを食べない時の対処法は?
  9.  

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

猫のイベント情報

猫の飼育について

猫カフェ・保護猫カフェ

猫の雑学

猫の病気・治療費

キャットフードについて

猫の皮膚の病気

猫の島

ピックアップ記事

症状から見る猫の病気

わが家の女王猫たち

獣医さんについて

診療費について

猫のニュース・エンタメ(国内)

猫の体のしくみ

猫専門病院

猫用品・便利グッズ

話題の人気猫たち

猫の種類

PAGE TOP